「えーなんだっけ。つまりは実戦では理論だけではどうにもならないって事です。実戦は経験がものを言います。咄嗟にどう動けるか
それが自分の命を守る事になるんです。だから、ルーピン先生も実技を取り入れた授業をしてくださっていました。けれど考えてみて下さい。この呪文はこういう時に使います。実際にそうなったら使ってね。…それだけでは、呪文は覚えていても発動しない人が殆どです。そんなモタモタしていたら…バンッ…それでおしまい。勿論、普段の勉強が不必要なものとは言いません。事実上就職等に影響してくるのはOWLの試験でもあるのだから。」
「ならなんでこんな事やろうと思ったんだ?」
「ヴォルデモートが戻ってきたから。彼奴は着実に準備を進めています。再び世界を自分の色で、恐怖で支配しようと、ね。そんな日が遠くない未来に必ず訪れます。そんな時自分の身を守る術だけでも、今よりも多く身に付けておきたい。それが自分自身を、大切な人を守る力になるから。そう考えています。」
「…まぁ、そういう計画です。皆さんが一緒にやりたければ、どうやってやるか決めなければいけません。」
レンがそこまで説明すると、有難うと一言言いハーマイオニーが続けた。
「『例のあの人』が帰ってきたって何か証拠はあるのか?」
ブロンドのハッフルパフの選手が食ってかかる様な声で言った。
「まずダンブルドアがそう信じていますし…」
「ダンブルドアはその人を信じているっていう意味だろ。」
ブロンドの選手がハリーの方に顎をしゃくった。
「キミ、一体誰?」
ロンはぶっきらぼうに聞くと「ザカリアス・スミス」と答える。
「それに僕達はその人が何故『例のあの人』が戻ってきたなんていうのか正確に知る権利がある。」
「ちょと待って、この会合の目的はそういう事じゃない筈よ。」
「構わないよ。僕が何故そう言うのか。は、僕が見てきたからだ。先学期、ダンブルドアが何が起きたのかを話した。それが信じられないなら僕が何を言っても信じられないだろう。僕はそれを信じてもらう為に残りの時間を使うつもりはない。」
「ダンブルドアが話したのは彼女が『例のあの人』の手下に誘拐されて大怪我させられたって事と、セドリック・ディゴリーが『例のあの人』に殺されたって事とキミがホグワーツまで亡骸を運んだって事だけだ。詳しい事は何も聞かされていない。」
ハリーが怒りを爆発させそうな様子を見てレンは「ハリー、私が話しても良い?」と聞くと大きく頷いた。