「本当にお前という奴は…ホグワーツでは姿くらましが使えないだろう?出来るだけ我慢しておけ。」
「…判ったわ。」
「不貞腐れるんじゃない。」
「不貞腐れてませーん。」
レンは唇を尖らせながらもシリウスの胸を背凭れにし、持ってきた袋をガサゴソし始めると手の中に何かを握り目の前で何かをし始める。
シリウスはその様子を、今度は何をし始めるんだと溜息交じりに見ていれば、そこには昔自分がアクアに贈ったそれと若干色違いの水晶があった。
「あの店を見つけたのか。」
「うん、さっきね。」
雪降らせられてる?とレンは水晶を持ち上げて首を傾げ、上手く出来てると、シリウスが褒めてやればレンはそれを革紐に通し、シリウスの首に勝手に提げ始める。
「リーマスに置いていったらバレてしまうから…シリウスに先にプレゼントよ。」
「その為に帰ってきたのか?」
シリウスは驚きながらもそれを外そうとはせずにレンを見遣る。
「言ったでしょう?それはついででシリウスに逢いにきたの。そろそろ帰らないとバレちゃうから帰るけれど…シリウス、気を付けてね?危険な事するなとは言わないけれど、死んでしまう様な事をしたら叱りに行くわ。」
「今のところそういう心配は要らないさ。安心しなさい。」
そして名残惜しそうにシリウスの頬に口付けをし「行ってきます」と嫌そうに呟いては立ち上がり、ホグズミードにとぼうと意識を集中させたのだろう、背を向けたまま小さく息を吐くレンにシリウスはそっと声をかけてしまう。
「レン」
「なぁに?」
「有難う。嬉しかった。」
シリウスのその言葉にレンは頬を赤らめてにまっと笑えば「またね」と姿くらましをした。
自分の身が危ないと言う事よりも、あの暖炉での一瞬を気にしていたのだろう…シリウスを喜ばせたい…そんな気持ちの為に動いた、レンの気持ちにシリウスは心が暖かくなった。