「そうなの。この授業はどうかしら。」
「個人的な意見でよろしいでしょうか?」
「勿論よ。」
「私個人としては、魔法薬の調合は好きですので、この授業は苦にはなりません。」
「よろしい。授業に戻っていいわ。」
「はい。」
アンブリッジはそう言うと何やらクリップボードに書き始め、レンは心臓が口から出てしまいそうだった。
今日煎じているのが毒薬でなくてよかった…もし毒薬だったら失敗したふりしてアンブリッジにひっかけてしまうかもしれない。
レンは大きく深呼吸をすれば、自分の両頬を叩き気合を入れ「よしっ」と小さく言えば調合を開始した。
成績を落としたくはない。好きな調合をアンブリッジの所為で失敗したなんて恥にしかならない。
「このクラスはこの学年にしてはかなり進んでおりますのね。」
アンブリッジがスネイプの背中に向かってキビキビと話しかけた。
「でも強化薬の様な薬をこの子達に教えるのは如何なものかしら。魔法省はこの薬を教材から外した方が良いと考えると思いますね。さてと…貴方はホグワーツでどのくらい教えてますの?」
「14年」
ディーンの大鍋を覗いていたスネイプがゆっくりと体を起こしアンブリッジと向き合い、まるで心を凍らせているかの様に表情からは何も読み取れない。
「最初は闇の魔術に対する防衛術の職に応募したのでしたわね?」
「左様」
「でも上手くいかなかったのね?」
スネイプの唇が冷笑した。