第5話
レンは自分の無力感を感じながら人の姿に戻ると、ハリーの側に駆け寄る。
「ハリー…大丈夫?」
「うん、僕は大丈夫。さっきは有難う。」
ハリーは小さく笑みを浮かべ、ダドリーを見れば、ダドリーは小さくなり震えながら、泣き続けていた。
「レンこそ、大丈夫?」
ハリーはダドリーを見るのに視線を下げ、そこから異変に気付いたのか、レンの方へとそのまま向けて心配そうな表情を浮かべる。
「私は大丈夫。これくらいなんて事ないわ。…それよりごめんなさい。守りきれないで魔法を使わせてしまったわ…。」
脚や腹部の傷が開き、血が滲み出ていたのにハリーに気付かれてしまい、レンは苦笑を浮かべた。
「ハリー…吸魂鬼は今、魔法省の管轄。ヴォルデモートが吸魂鬼を誘惑し仲間に入れたのならまだしも、まだそんな情報は入ってきていない…。なんだか嫌な予感がするの。杖をしまわないで、家までダドリーを連れて帰れる?」
「うん、大丈夫。…ねぇ、聞かせて。何が起こってるの?どうしてヴォルデモートが復活したのに何も予言者新聞には出てないの?僕は…」
ハリーは今までずっと不安だったのだろう、そう一気に言葉を続けようとし、レンはハリーをぎゅっと抱きしめた。
「ヴォルデモートが復活したのは紛れもない事実。日刊予言者新聞にはヴォルデモートについて何1つ書かれてないと聞くわ。ついさっきまで包帯で覆われて見る事は出来なかったから私は読んでいないけれど…表立ってまだ動いていないのよ、きっと。」
レンの温もりにハリーは少し落ち着きや苛立ちを鎮める事が出来たようで、ホッと小さく息を吐いた。
「レンはどうして此処に?」
「貴方の周りで魔力の乱れを感じたから。来て正解だったとは思ったけど、結局は貴方に魔法を使わせてしまった。魔法省が変な動きをしなければ良いんだけれど…それだけが心配よ。」
ふと人の来る気配がし、レン達は離れそちらの方向を見つめれば、そこに姿を現したのは近所に住む変人で有名のフィッグおばさんだった。
確かダンブルドアの話だと、彼女も騎士団の一員。