「だけどこれじゃ、キミには程度が低すぎるって思うなら、出て行ってくれていい。」
ハリーは言葉を続けたが誰も動かなかった。
「オッケー。それじゃ全員、2人組になって練習をしよう。レン、キミは皆を見て回ってくれるかい?完璧な人がいたら無言で出来るように教えてあげてても良い。」
「判ったわ。」
ハリーは1人になってしまったネビルと組み、ネビルに武装解除の魔法を教え始める。
レンはそれを見遣りながらもゆっくりと周りを見回った。
ハリーの判断は正しかった。
お粗末な呪文が飛び交っており、相手を全く武装解除できず、弱い呪文が通り過ぎる時に相手を2、3歩後ろに飛び退かせるとか顔を顰めさせるだけの例が多かった。
ちゃんと呪文が発動しても、標的に当たらず本棚に当たる。そんな場合もちらほらあったりしている。
本棚から本が散々飛び出していくのに気付くとレンはその主のところへと向かう。
クリービー兄弟だ。
レンが側に行くと彼らは頬を赤らめて緊張した表情をし、レンは小さく笑う。
「杖はこうして握って?そして…呪文を唱えながらこうやって手を動かすの。今は判り易くゆっくりとやるけれど、これが完璧に出来たら今度は杖の動きを早めて精度を上げてね?コツは手首の動きよ。」
まずはコリンからね。と杖を持った彼の手を取り、こう動かすのよ?と感覚をつかませる為に一緒にやって見せる。
コクコクと頷き、弟デニスの杖を奪って見せれば「出来た!」と嬉しそうに声を上げる。
「そう、その感覚を忘れないで練習してね?次はデニス。」
レンはデニスの手も同じ様に動かしてやり教えると、呪文は正常に作動し同じ様に喜ぶ姿が何故か微笑ましく口元が緩んでしまう。
弟、とはこういう感覚なのだろうか…。
ハリーはネビルとロン、ハーマイオニーを3人で組ませて、レンとは反対側にいる人達を見て回っている。