「私はクィディッチ優勝杯が自分の部屋にある事に慣れてしまいました。スネイプ先生にこれをお渡ししたくはありません。ですから、時間に余裕が出来た分は練習にお使いなさい。2人とも、良いですね?」
完全な依怙贔屓だ。レンは思ってしまったがスネイプはもっと自分の寮を依怙贔屓していた。
スリザリン生が頻繁にグリフィンドール寮生に呪いをかけても気にもしなかったし、コートの予約を頻繁に入れグリフィンドール選手の練習を阻んだ。

10月の風の唸りと土砂降りの雨は無くなり11月がやってきた。
凍てついた鋼のような寒さと毎日びっしりと降りる霜、剥き出しの手や顔に食い込むような氷の風。
大広間の天井も真珠のような淡い灰色になり、ホグワーツを囲む山々は雪をいただいた。
城の中の温度も急激に下がり吐く息を常に白くし続けた。
試合前日の夜レンは指輪に祈った。
『明日は頑張ってね?活躍期待しながら応援してるわ』
『レンからそう言われると思ってなかった』
『失礼ね。応援くらいするわ。』
『幼馴染殿が相手だぜ?』
その返答にレンは小さく笑ってしまえば、ハーマイオニーは隣のベッドからやって来てはそれを覗き込む。
「ジョージ、ヤキモチ妬いてるんじゃない?」
クスリと笑うハーマイオニーにレンは驚き目を丸くする。
ジョージに言ってごらんなさいよ。と言うハーマイオニーにレンは『今笑った私の様子を見にきたハーマイオニーが、ヤキモチ?って聞いてって』と祈れば返事が止まる。
「ほら、そんな事ないでしょう?困らせてしまったじゃないの」
レンがそう言えば、「指、見て見なさいよ。」とハーマイオニーは頬を緩ませる。
『姫君の応援を独占したいって思うのは当然の事さ。』
それを見て驚くレンに、ハーマイオニーはくすりと笑った。
『…ばかね。』
レンは頬を赤らめて手を下ろせば「なんて言ったの?」と聞くハーマイオニー。
「ばか。って」
それを可笑しそうに笑うハーマイオニー。きっとジョージも笑っているだろう。そう思うと顔が熱くなりレンは布団に潜った。