第50話
「さ、レン犬になって頂戴」
レンは言われるがまま犬になり、ハグリッドの小屋まで急いで行った。
だがその尻尾はだらんと下がったままだ。
ハリーは急いでハグリッドの小屋の扉を叩き「僕だよ」と言えば、ハグリッドはその扉を開け、犬のレンと透明マントの3人を中に入れ閂を掛けカーテンをしっかりと閉じれば、ハリー達はそのマントの脱いだ。
ハーマイオニーの悲鳴や心配する声にハグリッドは声をかけながら暖炉に火を点けヤカンをかける。
「大丈夫だ、大丈夫だっちゅうに」
レンの変身が無意識に解け、その場に立ち尽くしてしまう。
「そんな酷い怪我…大丈夫に見えないわ…私、ずっと魔力、監視してた…ハグリッドに、なんの揺らぎも、なかったから…安心してたのに…」
レンの心を更に落ち込ませ、どうにかなってしまいそうだった。
自分の力を信じられない…。
「そいつぁレン、俺が…あーそういう状況じゃなかったからだ…それにかなり距離があった。」
ハグリッドの髪は血でべっとり固まり、顔は紫色やどす黒い傷だらけで、腫れ上がった左目が細い筋の様に見える。
指も切り傷だらけでまた血の出ている場所もある。おまけにそろーりそろーりと動き足を引きずっている様子からどこか骨も折れているのだろう。
「ハグリッド、一体何があったの?」
何度もハリーはそう聞くが、ハグリッドは「言えない。何もない。言ったらクビになる。極秘なんだ」と言う。
「ハグリッド…巨人に、会いに…行っていたのでしょう?」
レンの言葉に、ハグリッドはドラゴンの肉を顔に乗せて癒していたその手から肉を落とした。
「誰が巨人なんぞといった?誰と話ししたんだ?俺が、その、なんだ。」
ドラコが言ってた。とレインは言おうとしたがそれよりも先にハーマイオニーはそう思っただけよ。ね、レン?と一言。
レンは何も言わないままハグリッドの側に立てば手を伸ばし「クレスメントの血よ…我に従え」と小さく呟きその傷を癒し始めた。