あの、ついこの間まで捕らえられていたムーディがレンの前に歩み出た時だった。
「ムーディ先生。折角色々教えて下さったのに、あの時はそれを生かせず…すみませんでした。」
「言っただろう、失敗してお前が戻ってきても恨みはせんと。それよりも辛い体験をよく乗り越えたな。」
ムーディはそう言うと、ポンっと叩く様に頭を撫でてくれ、レンはどこかホッとした。
「これからも…貴方の事を先生と呼んでも良いですか?無言呪文などを教えてくれた事、私にとっては貴方は師です。」
「好きに呼べ。」
ムーディはフッと口元が緩んだ様な気がした。
彼が杖腕をレンに差出すと、レンは皆と同じ作業を行った。
「さて、これで一区切りがついた訳じゃ。レン、確認したい事があるのじゃが、良いかの?」
「はい。」
「玄関はまだプリペット通りに繋がっておるのかの?」
「はい。当主になった時に繋ぎ直しました。」
レンが直ぐにそう答えると、ダンブルドアは大きく頷いてみせる。
「セブルスの処置が終わり次第、ルーピンと共に新しい本部に向かって欲しいのじゃ。そして…1つの部屋と此処の1つの部屋を繋いで欲しいのじゃが、出来るかの?」
「はい。」
レンは大きく頷いた。
「ウィーズリー一家も此方へやって来るじゃろう。本部が本部として使えるまでは此処で寝泊りをさせてやって欲しい事と、騎士団に関する出来事は一切口外する事を禁じる。勿論ハリーにもじゃ。」
その言葉にレンは小さく首を傾げる。
どうしてハリーに伝えてはならないのだろうか…。
ハリーだって立派に戦えるし、ヴォルデモートの復活を目の前で見た1人だ。