「悪夢じゃありません!…あの、僕…確かに…眠ってました。でも普通の夢じゃなかったんです。…現実の事でした。それを見たんです…ロンのお父さんが…ウィーズリーさんが…巨大な蛇に襲われたんです。」
ハリーと一緒に連れられて来たのはロンだろう。
ハリーはゆっくりと話していた。
その声色と魔力は恐怖の色と必死さが見え伝わってくる。
「どんな風に見えたのかね?」
ダンブルドアの声は静かに冷たく響いている。
「あの…判りません。僕の頭の中で…だと思います。」
「私の言った事が判らなかった様だね。」
レンはこの一言にダンブルドアに違和感を覚えた。
確かに本物のダンブルドアだが、ハリーと一線引いている様な…距離を感じたのだ。
「つまり…あー…覚えておるかね?…襲われたのを見ていた時…キミはどの場所に居たのかね?犠牲者の隣に立っていたとか、見下ろしていたとか」
「…僕が蛇でした。全部蛇の目から見ました。」
「アーサーは酷い怪我なのか?」
「はい。蛇が2回噛み付いた時、光がウィーズリーさんを守りました。噛み付けなくしてくれてて…それは花のような模様のある光の球でした。それから光の粉が降り注ぐと傷を癒してくれていた様でウィーズリーさんの表情が和らいでいました。」
「レン、今一度アーサーに結界を張るのじゃ。人が来るまで処置を頼む。」
ダンブルドアの鋭い声が室内に響きレンはフォークスに退いてもらい身を起こすと「はい」とはっきりと返事をし集中をした。
「レン!?」
ロンとハリーの驚く声が聞こえるが答えている余裕はない。
祈るように手を合わせ意識をアーサーの魔力の元へと向ける。
弱々しいが呼吸はある。合わせた手が淡く光り始めれば、アーサーの身が淡く光り始めた。
「エバラード!それにディリス、貴女もだ!」
ダンブルドアはレンの様子を横目で見遣ると素早く動き壁の肖像画一枚一枚に鋭い声をかけ始めた。