「聴こえていたじゃろうな?」
「当然です。」
「その男は赤毛で眼鏡を掛けておる。エバラード、貴方から警報を発する必要があろう。その男が然るべき者によって発見されるよう。」
2人とも頷いて額の中を移動した。
「レンが此処におるのはその力で異変を察知し知らせに来てくれたのだ。だが、私が気付く前にアーサーの身を案じ独断でその身を削り術を施した様だ。…ミネルバ、心配は要らぬ。この子は随分と力を付け特訓に励んでいた。」
「大丈夫よ、ロン…おじ様は気を失っているけれど息はしてる。」
側の魔力が不安と動揺でいっぱいいっぱいなのを感じれば、レンはそう安心させるように呟くと、ダンブルドアはそれに驚いたようだった。
「現場が見えているのかね?」
「はい。こうして目を閉じて集中している間は、ですけど…。」
コホコホッと咳をし、血の味がが咥内に広がれば「もう少し堪えておくれ。」とレンの背を撫でた。
ダンブルドアはエバラードとディリスは非常に有名な魔法使いと魔女で重要な魔法施設には必ずこの肖像画があり、その間を行き来できるのだと説明しながら、3人に椅子を出し座る様に促した。
ダンブルドアはフォークスに見張りを頼むと、繊細な道具を取り出して何かをしている様だった。
ポッポッと煙が吐き出される音に鈴の様な音色も聞こえる。
魔法の香りがするところから、これは魔法道具の一種だろう。
「なるほど、なるほど……しかし本質的には分離しておるか?」
ダンブルドアは独り言を言っている様だった。
レンは人が来たのが見え、そっと術を最小限に留め、瞳を開いた時に見えたのは、煙の蛇が2匹おり、2匹とも空中へ消えていくところと、ダンブルドアの厳しい顔が満足そうな色を浮かべているところだった。