明け方にレンが眼を覚ませば、そこには暖炉の火が絶えず燃えており、ギルの気遣いに感謝をした。
軽い空腹感にのそのそと起き上がれば着替えてから厨房に立ち、温かいスープとともにサンドウィッチを作りテーブルに運んでくれば、その香りに導かれるようにハリーが眼を覚ます。
「ちょっと早いけど…朝ごはん、食べる?」
レンの言葉にハリーは小さく頷き、2人でそれを食べた。
何か会話をする訳では無かったが、その空気が落ち着くのか、ハリーの表情は随分良くなってきていた。
「少しは気持ちが落ち着いたみたいね。良かった。」
「大分ね。…向こうに行ったらまた気持ちが落ちそうだけど…此処だと不思議と落ち着く。この家は森に囲まれて孤立していてどこか寂しげだけれど、来る度に思うのは優しい空気みたいなのに包まれてるなって。…きっとレンが居るからかな。」
「私は何もしていないわよ?」
「してくれてるよ、いつも。…早くレンがグリフィンドールにいる生活に戻りたいよ。暖炉の前で居眠りしてるレンを見たい。」
「…何その限定的なシーン」
レンがそうツッコミを入れると、ハリーは小さく笑った。
「レンにも前みたいに笑って欲しい。」
「…有難う。」
レンはどこか照れくさくなり俯けば、それをおかしそうに笑うハリー。
2人はまたソファを背もたれに互いに寄りかかりながら手を繋ぎゆっくりと他愛の無い事を話していれば、こつんとハリーの肩に頭を寄せ眠るレンの姿を、ハリーは口元を緩ませて見つめてしまう。
ハリーは少しだけそのまま眠ってしまったが、目を覚ますと庭で何かを捕まえようと飛び跳ねているバックビークを眺めていた。
バックビークの為に時々シリウスが来ては遊ばせてあげてるんだな、とハリーは思う。