「お嬢様、いけません!レン様がお疲れで、休まれているのでございます!お許しください、お嬢様!」
そんなキーキー声が聞こえ、ハリーは飛び起きて其方を見れば、其処には寒さで頬を紅くし、髪には雪を乗せたままのハーマイオニーの姿があった。
レンは疲れているのか、ギルの声に目を覚ます気配がない。
「此処の扉はレンの家に繋がったままだってシリウスが教えてくれたから、まさかと思ったけど…此処にいたのね!」
そう大きな声でいうハーマイオニーに、ハリーは静かにして、と囁いた。
「レンが眠ってるんだ。…っていうか何でキミが此処に?パパとママとスキーに行ったんじゃないの?」
「あのね、本当の事を言うと、スキーって私の趣味じゃないのよ。でも、ロンには言わないでね。ロンが散々笑うから、スキーはとっても面白いものだって、そう言ってやったの。パパもママもがっかりしてたけど、私こう言ったの。試験に真剣な生徒は全部ホグワーツに残って勉強するって。2人とも私に良い成績をとって欲しいから、納得してくれるわ。…兎に角、貴方の部屋に行きましょう?ロンのママが部屋に火を焚いてくれたし、サンドイッチも届けてくださったわ。」
「…僕、まだ行きたくない。…ほら、レンも起きないし。」
ハリーは咄嗟にレンが起きないから、とそれを理由にすれば、ハーマイオニーはレンの顔をじーっと見つめた。
「…顔色悪くない?」
「当たり前だよ。一晩中ウィーズリーおじさんを助けようと魔法をかけ続けてくれたんだから。疲れてるんだと思うからそっとしておいてあげて。」
その言葉を聞き、ハーマイオニーは遠慮なくレンの身を揺さぶり起こしに入り、ハリーは思わず止めろと止めてしまうが、ハーマイオニーは聞きもしなかった。
「…あれ…あ、ハリー…ごめんなさい、枕にしちゃっていたわね。」
レンが寝ぼけ眼でそう言えば眼を擦り、ハーマイオニーが居る事に首を傾げ、ハーマイオニーの行動にハリーは心底嫌そうな顔をしていた。
「さ、とっと起きて。あっちに行くわよ。」
「私はもう少し此処にいるわ。休暇中は家でゆっくりするって決めているの。」
「貴女が来ないとハリーも来ないのよ。」
「要は、ハリーをあっちに連れて行きたいから、私をあっちに行かせたい。そういう訳ね。」
「あ…ごめんなさい、そういうつもりじゃ…。」
レンはスリザリンにいる時と変わらないからか感情が上手く読めずハーマイオニーは慌てて謝るが、レンは小さく息を吐き立ち上がればシリウスの家の方へと歩いて行った。