第57話
レンが目を覚ました時は朝方だった。
スッキリしたいとシャワーを浴び、着替えて戻ってくれば、プレゼントがいくつか置いてあるのに気付いたが、ひとつひとつ開ける気にもならなかった。
こんなに気持ちが落ちているのも久し振りだと自分自身に苦笑し、髪も乾かさずに、またベッドの中に潜ってしまう。
みんな本部にいるのだろう、静かで誰の気配もしない。
ホグワーツに通い始めた頃みたいだ。
指輪に視線を向ければ『メリークリスマス』と文字が浮かんでおり、レンも同じ様に祈り返事を返したが、そのままベッドから出る事は出来なかった。
暫くすれば遠慮がちにノックする音が聞こえ、レンは適当に返事をすれば、挨拶をしながら姿を見せたのはリーマスだった。
近付いてくるリーマスにレンはメリークリスマス。と一声掛けリーマスの首に腕を廻す。
そして、以前に贈ると約束したネックレスを勝手に付ければ、リーマスは驚いた様な表情をするが直ぐに微笑んでくれる。
「有難う、レン。作れたんだね?」
レンは小さく頷く。
「レン、髪を乾かしたら向こうで食事にしよう。モリーが食事を用意してくれている。」
「食べたく無いし、あまり人に会いたくないの…此処で良いわ。」
「ダメだ。今日は一緒に病院に行かなくては。」
「病院?アーサーおじ様のお見舞い?…私行きたくない。」
「それもあるけれどね、レンも一度診てもらってきなさいと、ダンブルドアが仰っていたんだよ。」
「…どうして?」
髪を乾かしてくれているリーマスにレンは小さく首を傾げた。
「レンがホグワーツを出た後、セブルスが動いてくれたんだ。マダム・ポンフリーと口裏を合わせてくれてね。レンがいないのはどうしてだとあの"ガマ女"がスネイプに詰め寄った時、激しく吐血をして、ダンブルドアの判断も仰ぎ病院で診察を受ける事を条件に帰宅させ、療養させているってね。一応診察を受けたという事実をつくっておかなくては。」
「…そう。間違ってはいないわ。一晩中遠隔で力を使っていたから…あんな使い方が出来るなんて思いもしなかった。ハグリッドが守られたって言っていたから、もしかしてって思って…。」
「食欲も元気もないのはその所為かい?」