「これは学校にいる時からよ。…スリザリンになってからずっと。あそこは凍えそうなの…それに…ハグリッドのけがを感知できず、おじ様もあそこまで酷い怪我をするまで気付けなかった。…自分の力が信じられなくて…万が一の時また守れなくて後悔するんじゃないかって怖くて…。」
「レン、そこまで自分を責めてはいけないよ。魔法はね、万能ではないんだ。どんなに優秀な力でも出来ない事は必ずある。だからこそ大切にしなければならない事が多くあるんだよ。」
「例えば?」
「そうだね…例えば人の限りある命とか、私がレンを愛しているというこの気持ちとか。魔法では死者を甦らせる事も愛を作り出す事も出来ないからね。」
リーマスはそう言うと、そっとレンを抱きしめそっとその髪を撫で、言葉を続ける。
「人狼であるからこそ体験した事が今の私を作り上げたように、レン…キミも多くの事を体験し大人になっていくんだ。それを感じぬように心を閉ざして心の成長を止めてしまったり魔法に頼ってしまったりすると…それこそヴォルデモートと同じになってしまう。レンはそうなりたいかい?」
その言葉にレンは大きく首を横に振った。
「そんな風になったら…リーマスもシリウスも私を愛してはくれなくなるわ。シリウスにあんな怖い目を向けられてしまうもの。それは嫌だわ。」
判断基準が私達かい?とリーマスは可笑しそうに笑うが、光栄だよ。とその頭に優しく口付けを落としてくれ、それがどこか擽ったかった。
「さ、そろそろ支度をしよう。病院にはマグルの行き方をするからね。マグルの服に着替えておくれ。」
そう言われれば、レンは着替え始めた。
ミニスカにニーソ、ショートブーツにハイネックのセーター。それにスカートと同じくらいな長さのコートを持てば外で待つリーマスの所へ行き、これで満足?と聞けばリーマスはレンの頭を撫でた。
リーマスと共にシリウスの家に行けば、厨房ではハリーとシリウスが何かを話していた。
「レンはクリーチャー見なかった?」
「私、シリウスに伝えたつもりだったけど…」
そういうとシリウスは首を傾げた。
「クリーチャーはいないからギルを使ってって。」
それにシリウスは「あぁ…」と声を漏らす。