「じゃ、もう良いね。」
ハリーは立ち上がってレンと話がしたいのか、ジッと何かを訴えるように見つめられ、レンが立ち上がろうとした時だった。
「それで良い筈がないだろう!!座るんだ!」
「今度はなんなの?」
バーノンは喚き、ハリーは苛々した様子だ。
「ダドリーだ!」
「良いとも!」
ハリーは叫び、手に持ったままの杖から赤や金色の火花が散り、ダーズリー親子三人が、恐怖の表情で後退りをしている。
「ダドリーは僕と、マグノリア・クレセント通りとウィステリア・ウォークを結ぶ路地に居た。ダドリーが僕をやりこめようとした。僕が杖を抜いた、でも使わなかった。そしたら吸魂鬼が3人現れて…」
「で、そのきゅーこんなんたらはなんなんだ?そいつらは一体何をするんだ?」
「さっきレンが言ったよ。幸福感を全部吸い取っていくんだ。そして機会があればキスする。」
「キス?キスだと?」
バーノンが少し目を飛び出しながらそう答えると、ペチュニアがゆっくりと口を開く。
「そう呼んでるんだ。口から魂を吸い取る事を…」
ペチュニアが小さく悲鳴を上げると、慌ててダドリーを見つめ、自分の息子の魂をとられていない事を確認しホッとしたのと同時にレンが言った言葉を思い出したのだろう、キッチンから慌ててチョコレートを持ってくればそれをダドリーに手渡した。
「勿論あいつらは、ダドリーの魂をとらなかった。」
「追い払ったんだな?パンチをくらわした訳だな?」
「吸魂鬼にパンチなんて効かない。」
ハリーは歯ぎしりしながらそう言った。
「それならいったいどうして息子は無事なんだ?それならどうして、息子はもぬけの殻になったんだ?」
「守護霊の魔法を使って、吸魂鬼を追い払ったんです。守護霊の魔法とはプラスのエネルギーが形となり盾となってくれる。ダドリーが襲われていた時、ハリーはそれでダドリーを守ったんです。」