リーマスにしがみつき怯え泣く姿に、癒者は「大丈夫」と優しく微笑んでくれた。
レンはリーマスに抱えられながら一時的に気を落ち着かせるために癒者に眠らされ、癒者は心身的にかなり衰弱しているとそうリーマスに告げた。
きっと彼女が今動いているのは、心意的なものだけだろう、と。
それがプツリと切れてしまった時が危ないと診断され、色々考慮の上薬を処方されたのだった。
1日は眠り続けるだろうから、目が醒めるまで入院とされ、5階の魔法疾患の病棟へリーマスはレンを背負いながら案内されるがままにそれについていく。
「ミセス・ロングボトム。お久し振りです。」
「ミスター・ルーピン、お元気そうですね。その子は娘さんかえ?」
「えぇ、アクアの…レンと言います。すみません、マダム。この子は今魔法で眠っていて…」
「あぁ、あの娘さんかえ。…彼女の事は孫から聞いておりますえ。今年は彼女から多くの魔法を教わって上手く使える魔法が増えたと…」
「レンがそんな事を…ネビル、久し振りだね。大丈夫かい?」
空いているベッドとはなんたる偶然か、ネビルのご両親の部屋にあったベッドでリーマスは思わず苦笑が漏れてしまうが癒者がレンをそこに寝かせればなにやら処置をしてくれている。
ネビルはこくこくと頷くが視線はレンの方へと向けられていた。
「ルーピン先生、レンは…大丈夫?僕…レンが、酷い扱いされてて…心配だったんだ。」
「あぁ、大丈夫だ。少しお薬をもらってね。一時的に眠っているだけだから。」
「良かった…」
リーマスはネビルの祖母とロングボトム夫妻について話をしている間、ネビルはレンの側にいた。
その気配にうっすらと覚醒しきっていない瞳をネビルに向け、レンはへらりと口元を緩ませる。
が、側にいたスタッフがもうレンが目を覚ました事に驚きを隠せず、慌てた様子で薬の準備をし始めていた。
「なんて、顔を…しているの?」
「その…うん。僕のパパとママが…拷問され続けて…此処にいるんだ」
「あぁ…ネビル、だからあの時あんなに怒ったのね…辛かったわね。」
レンは優しくそういえば、力が入らずに震える手をネビルに伸ばしその頬を撫でてやれば一筋の涙を流し俯いた。
だんだんと意識がはっきりしてくれば、身を起こし癒者が帰りに薬を受け取っていくようにと言われ、レンは小さく頷く。