第58話
次の日の朝ファッジから手紙が届き、ギルがそれを本部の厨房まで運んできてくれた。
食事を終えていたレンはそれにお礼を言い、手紙の封を切り読めば深い溜息を漏らし、見たくもないと言いたげにそれを燃やしてしまう。
「レン、どうしたの?」
ハリーが向かい側からレンを見遣り不思議そうに首を傾げ、レンは憂鬱そうな視線をハリーに向けた。
「ファッジが正午過ぎ…アンブリッジと一緒にお見舞いに来るって。何があるか判らないから、全ての繋がりを絶っておくわね。また繋ぎに来るわ。」
アンブリッジの名に子供達全員の顔が凍ればレンは小さく溜息を吐く。
「ファッジは、どうもクレスメントを味方につけておきたいと見える。それか偵察かもしれない。くれぐれも気を付けるんだぞ?」
「判っているわ。ガマ女の事ですもの、疑いに疑いまくっていると思うし、警戒はしておくわ。」
レンはそう言うと足早に本部を去りギルを本部に居させ、繋いである通路の魔法をまた直ぐに繋ぎ直せるよう一時的に繋がりを絶ち、あまり不自然ではない程度の部屋着に着替えればソファで一息を吐く。
薬を飲んでから宿題をし始めた頃だった。
訪問を予告していた時間よりもかなり早く、喜ばしくない訪問者の訪れにレンは心を凍らせ、それを許可した。
其処に姿を現したのは、ファッジ、アンブリッジ、ルシウス、ドラコの4人だった。
「ようこそおいで下さいました。ファッジ魔法大臣閣下とアンブリッジ先生…それとミスター・マルフォイ、それにドラコも。」
今、お茶をとレンは魔法で広げていた教科書を片付ければ、杖を一振りし人数分の紅茶と茶菓子を用意した。
「ミス・クレスメント。急に済まなかった。キミがかなりの量を吐血したと聞いてね…心配で堪らなくて急いでしまった。」
「ファッジ大臣にまでその様に心配させてしまい申し訳ございません。」
「僕も凄く心配で…やっと逢いに来る事が出来て良かった。」
ドラコはそう親しげに言えばレンの隣に座りその手を取り微笑みを浮かべる。
「姫君、どうかお気を遣わずにいつも通りで構いませんぞ。」
「ルシウス、有難う。」
「それにしても、まだ顔色がお悪いようだ…ゆっくり休んでいるのかね?」
ファッジは本当に心配しているようでレンは安心させるように口元に笑みを浮かべてみせる。