「ミス・クレスメントのお体に障っても申し訳ない、女史そろそろお暇させていただくとしよう。」
「クレスメント、わたくし貴女のお屋敷に大変興味がありましたのよ。少し拝見させていただいても?」
「構いません、ご自由にご覧ください。」
案内しようとしたが結構と断られ、レンはそう言うとドラコの手を借り、揺り椅子まで移動すればドラコの話を聞きながら庭を眺めた。
シリウスとリーマスの荷物、そして撮った写真は既にギルに各部屋毎に中を広げた鞄に詰めて移動済みだ。
部屋の中を丹念に調べたって何も出てこない。思う存分見て回ると良い。
「使っていない部屋まで綺麗になさっているのね。」
「いつもは埃だらけで帰ったらまずは掃除から始めるんですが、生憎この体でしたので、体に悪いと名付け親がやってくれました。」
「まぁそうね、半獣じゃ時間は余っているでしょうし。大臣、それくらいして媚を売らないといけないのかもしれませんわ。」
レンがそれに顔色一つ変えないのをアンブリッジもドラコも驚いたような様子が見られたが、レンは気にもしなかった。
その後アンブリッジやファッジはレンがダンブルドアと繋がる証拠を探そうと躍起になっている様だったが、ファッジは何も見つからずに逆に安心したのか訪ねてきた時よりも上機嫌だった。
ファッジは最後にこの家に自由に出入りができる様施した人間はどれほど居るのかね?と訊ねレンは首を傾げた。
「もう3年も前の事ですから…そんな事をしたかどうかも定かではありませんわ。先ほども言いました通り、ずっと1人でしたので1人の方が落ち着くんです…。」
レンのその言葉にファッジはレンの杖腕を杖でひと叩きすれば何も出てこず機嫌の良さそうな笑みを浮かべる。
「何やら随分と私のことをお疑いなのですね。」
「とんでもありませんぞ!」
苦笑まじりに言うレンにファッジは本気で慌てている様だった。
「そうでしょうか。アンブリッジ女史は、自分の言う言葉は大臣のお言葉だと思えと仰いましたわ。彼女は学校が始まって直ぐに、クレスメントを愚かだと言った。古臭いものは排除すべきだと。…それに、先日は私の親を愚弄した。親の愛を知らずに育った私ですが、唯一の親を愚弄されるのは気分のいいものではありません。ファッジ大臣も同じ考えだと…そう言われてしまえば、私からファッジ大臣への信頼はガタ落ち、そして本日のこの様な態度。お見舞いだとおっしゃっていましたが、貴方方が気になさっているのは私の体調ではありませんもの…信じようにも信じられませんわ。」
それは…と痛いところを突かれたと言いたげに慌てるファッジに、顔色を青くさせるアンブリッジ。