「今思えば、私の中にシリウスはずっといたわ。極稀にだけれど黒い大きな犬の背中に乗ってお散歩をする夢を見た事があったの。犬の背中が大好きだったわ。今はそれが夢じゃなくて現実に側にいてくれてパパになってくれた。他にもリーマスとハリーやギル。一般的ではないけれど、今晩はリーマスの手作りおやつはあるのかなーなんて思ったり、無かったらちょっとしょんぼりしたり。意地悪だけれど楽しくて頼もしいパパと、優しいけれど時々意地悪なパパ。家族の温もりが居心地良すぎて、初めてずっと此処に居たいって思えたくらいの家族が出来た。今ならきっと1人外で遊んでいれば、誰かしら迎えに来てくれるもの。だから、あの時の夢は来世ではなくて数年後にもう叶ったわ。」
驚いた様な顔をしたシリウスに「夢は叶ったから今度は目標の方を達成しなきゃ。」と言い、にっと笑えば、シリウスはその額に口付けては、どこか嬉しそうな表情をしていた。
レンはそれに擽ったそうに笑い「大好きよ、パパ。」と伝え、そのまま言葉を続けようとするも、訪問者の知らせに思わず息を吐いてしまう。
「…スネイプが来たから、そろそろ行かなきゃ。」
言いたくない一言だった。
シリウスもまた表情を曇らせ、一度きつく抱きしめてから腕を離せば、レンは立ち上がり、シリウスの頬に口付け「行ってきます。」と一言。シリウスも口付けを仕返してくれたが、行ってらっしゃい。と言う言葉は幾分か沈んでいた。
レンは眉を下げ訪問の許可をし、扉に手をかけるとシリウスは慌てて「レン!」と声をかけ、レンは不思議そうに振り返る。
「私が自由の身になれたその時は、家族で出かけよう。2人で行きたい場所を考えておきなさい。…あーそうだな、今度の夏の休暇は、自由になれていなくとも、また一緒に出かけよう。…教科書を買いに、な。」
レンはその言葉に瞳を大きくしては驚いた表情を見せるが直ぐに嬉しそうに微笑んでは「うん!約束よ。」と、返事を返しては家へ戻った。
リビングに行けば、レンのトランクの側にはスネイプが立っていた。
「…何をにやけている?」
「今学期が終わった後のご褒美を考えていたんです。」
これからアンブリッジのいる場所へと行くのに、いかんいかんとレンは気持ちを切り替えては大きく息を吐き、心を切り離すかの様に凍らせていくと、それを見ていたスネイプは「行くぞ。」と言いたげに自分の腕をレンの方に差し出し「自分でも出来ますけど。」と言うも「早くしろ」と言われてしまい、レンがそこに触れると姿くらましをした。
一瞬でホグワーツの門の少し手前、ホグワーツ城が目の前に現れレンは着いてしまった…そう思ってしまう。
視線の先には数人の生徒が2人の男女と握手を交わして別れの挨拶をしている最中だった。