「お前の嫌いなガマガエルが目を光らせているだろう。不要にあの者達に構うな。」
アンブリッジはハリー達が城へ戻る時間と合う様に見計らってレンを迎えに行けとスネイプに言ったのだろうか…。
それとも、無関係だと知らしめる為のダンブルドアの策の1つなのだろうか…?
パチンと音を立てて現れた2人に、別れの挨拶の途中だった面々は、レン達の方に視線を向ける。
レンのトランクを軽く宙に浮かせてはスネイプは先に歩いて行き、レンはその一歩後ろを歩いていく。
ハリーやロン、ハーマイオニー、双子にジニー…そしてリーマスとトンクスの隣をスネイプはひと睨みしては素通りして行き、レンはちらりと視線を送るも同じ様に素通りしていく。
が、驚いた様な生徒達やリーマス、トンクスに何もせずにいるのは嫌で、「またね。」の意味を込め、手を後ろに組んでは軽く手を振り、そして直ぐに小走りをすればスネイプの隣を歩く。
「お前は日々の生活の中で閉心術を心得ているようだな。」
「閉心術ってなんですか?」
「外部から心への侵入を許さぬ術だ。闇の帝王も驚いてなさった。」
「んー…そう、なんですかね。よく判りませんが、心を凍らせるべきだとよく思って生きてきていました。何かを感じ思ってもそれは私には贅沢な思いだと、すぐにその思いを切り捨てて…でも、グリフィンドールに入ってからどんどん貪欲になっては感情がダダ漏れだった自覚はあります。」
それに心当たりがかなりあるのだろう、スネイプは鼻で小さく笑った。
「閉心術がどうかしたのですか?」
「これからも信じた者の前で以外は、心へ誰も侵入させぬ様心得ておけ。」
「はい、判りました…あ、スネイプ先生。」
レンが名を呼ぶだけ呼んでいうべきかどうするべきか悩んでいれば、スネイプは足を止めレンを見遣れば首を傾げる。
「あの…あー彼が言った言葉、気にしないで下さい。…母の日記には貴方への恨み辛み憎しみ…そんなものは一切書いてなかった。彼のあの言い分じゃ母も貴方を大事に思ってきていた1人なんだと思います。きっと、日記の中に書かれていた親友って伏せ字の1人に貴方も入っているのかな、なんて…きっと私だったら、親友に自分の事で後悔や気に病む事があって欲しくないと思うから…」
その言葉にスネイプは僅かに瞳を大きくし驚いた様子を見せた。
珍しくそんな表情を見せてくれるという事は、本当に予想外で驚いたのか、思い出の何かに引っかかる部分でもあったのだろう。