死喰い人がアズカバンから脱獄したというニュースがあってから、このところアンブリッジの動きは活発化して来ている。
ここだけでも成功させようとしているのか、アンブリッジは定職処分に追い込まれているトレローニーやハグリッドの首切りする意思を固 めているようにも見えた。
現に占い学と魔法生物飼育学はどの授業にも必ずアンブリッジとクリップボードが付いて回っている。
アンブリッジはひどいもので、トレローニーの授業を悉く邪魔しているように思えた。生徒を指せば、今貴女が指した生徒がどう答えるか予言して見せて?などと無理難題を押し付けそのうちストレスでおかしくなるんじゃないかと思ったほどだ。
ハグリッドも精神的に参っているようで、クリスマス休暇の後からはクラップという小型のジャックラッセルテリア犬にそっくりで尻尾が二股に分かれた犬のような生物くらいしか見せなかったし、授業中変にそわそわしたり、ビクついたり、質問の回答を間違えたり、不安そうにアンブリッジをチラチラ見ていたし、レンが小屋を訪ねる事も声をかける事も禁止した。
だが生活は嬉しくない事だけではなかった。
そのニュース以降DAのメンバー全員に活がはいり、あのザカリアス・スミスでさえ熱心に練習する様になった。
「ねぇ、レン。これをもっと上手く唱えるにはどうしたらいいの?」
レンが参加できる時はネビルは特に熱心にレンに声をかけて来てくれた。
ネビルのご両親を拷問にかけ廃人の様にした、あのベラトリックスが脱獄した事が原因なのかもしれない。
誰よりも急速に成長している。
「閉心術ってどうしたら上手くできると思う?」
DAが終わった後帰ろうとしていた所にそう尋ねられてレンは首を傾げたが、レンがハリーと話していある間、遠くの方から鋭い視線を向けるチョウも気になるも、レンは声を小さくして答える。
「心を無にするの。何を言われても何も考えず、心を乱されない。そんな鍛錬が必要だと思うわ。私が幼い頃からアレらと接触していた時はいつもそうだったわ。感情を切り離すの。荒療治は心を弱らせる事もあるらしいから…それで、なのね?ハリー、貴方がよくその傷を触っているのは…」
傷がよく痛む事に気付いていたレンにハリーは驚き隠せない様子だったがその反面嬉しそうな表情を浮かべ小さく頷く。