目の前に広がる3つのゴールに頬にあたる風、グラウンドの芝生の香り。
ハリーや双子はこの中を自由に飛び回っていたんだ…。
「気分が良いだろう?」
「えぇ、とても。…そう、此処はこんな風だったのね…」
「一度だけだが2人乗りして此処を飛ばせてもらう許可をアンブリッジにも貰ったんだ。だから心配は要らない。」
「ずっと、知りたかったの。此処に立つ貴方達選手の気持ち。幸せそうに、楽しそうに飛び回る彼らの気持ち。…そう…こんな気持ちだったのね」
レンのその言葉に彼奴らを思い出しているんだろう、そう思ったドラコは面白く無かったのか「しっかり掴まっていろ。」そう言うとスニッチを追いかけるかの様に猛スピードで進み始めてグラウンドにはレンの悲鳴が響き渡った。
悲鳴をあげてはいたがしっかりとしがみついてくれるレンにドラコは口元を緩ませる。
練習の予約をしている寮生徒が来る時間近くになると、やっと解放されレンはグロッキーになっていた。
少し此処で休んでいくから。そう言うレンをドラコは待とうとしたが直ぐに戻ると言う声にドラコは帰って行った。
午後からホグズミードにでも行くつもりなのだろう。
レンは応援席で身を横たわらせ額に腕を乗せ広がる空を見上げながらも瞳を閉じていれば、懐かしい香りが鼻を掠め嫌でも口元が緩んでしまいそうになる。
「「熱々のデートだったじゃないか?」」
「これが素敵なデートだと本気でお思いなら、一生口利かないわ。」
レンの冷たい一言に本気で言っていると判った声の持ち主は思わず苦笑し、1人はレンに膝枕をしてくれもう1人はそのものの隣に座る。
「有難う、ジョージ。」
「見てもいないのに俺だって判るのか?」
「えぇ、貴方の香りがするもの。」
「犬みたいだな。」
レンの言葉にフレッドはそうつっこむと可笑しそうに笑う。
「どうだった?グラウンドに立った気持ちは。」
「選手として彼処に立つのはまた違った空気なのね。貴方達の気持ちが少し知れたみたいで嬉しかったし、貴方達と一緒に飛んでみたかったって気持ちがもっと強くなって…貴方達の気持ちを考えたら辛くて泣きそうになってたら死にかけてて全て吹っ飛んだわ。」
「あれくらいどうって事ないだろ?」
「人が運転する身の安全の保証されない猛スピードの乗り物が嫌いなの。」
「それじゃマルフォイ坊やの運転する箒は身の安全が確保されてなかったわけだ。」
「凄い悲鳴だったぜ。」
2人はニヤリと笑うとそう言い、どこか楽しそうに笑い声をあげた。