「卒業したらさ、いつかお前ん家とか、どっかで飛び回ろうぜ?」
フレッドはレンを揶揄いながらも気の晴れない様なレンの姿にそう言ってくれたがレンは唇を尖らせている。
「卒業したら貴方達はそんな事を忘れるくらいに大忙しでしょう?」
「それくらいの時間作ってやるさ。」
「時間じゃなくて一日が良いわ。」
「「仰せの通りに」」
2人が声を合わせて言うもんで、レンは思わず笑ってしまった。
「そ。レンはそう笑ってるのが一番好きだぜ?」
「唇を尖らせるのは、俺にキスを強請る時にして欲しいもんだ。」
その言葉にレンは耳まで真っ赤にすれば「揶揄わないで!」と言い、その場を後にするが、そういえば渡す物があったと思い出し引き返してみれば、グリフィンドールのボロボロの練習風景を苦々しい顔をして真剣に見つめる2人の姿があった。
本当は飛びたい、あそこに自分達がいたら…そんな気持ちが強く彼らの中にあるが、レンにはそれを見せぬ様頑張ってくれていたのかもしれない。
レンはその2人の間に顔を出せばそっと2人の頬に口付け、その2人の膝にチョコが入った小箱を置く。
「言い忘れていたのだけれど、私も貴方達の笑顔が一番好きよ?特に貴方達が好きな事をしている時の輝いた瞳がとても綺麗で素敵だわ。私、それを眺めるのが好きだったのよ。…それでも食べて元気出してね。」
驚く2人に唇に人差し指を当てて「皆には内緒よ」と悪戯っぽく笑いその場を後にした。
2人が箱を開けると「いつも有難う。貴方が少しでも元気が出ます様に。」と書かれたメッセージカードとチョコが数個入っていた。
どう見ても可愛らしい手作りのお菓子で、前々から準備をしてくれていたのか…と、ジョージの口端が緩む。
「もう、いちいちやる事言う事がさ…」
「判るぜ、相棒。」
頬を赤らめ頭を抱える様に俯くジョージとそれをニヤニヤしながら背を撫でてやるフレッドの姿が其処には在った。