「スリザリン生に襲われた事があるそうね。」
その言い方に先程の事を言うには少しおかしな言い回しだと思ったが、レンは曖昧に返事をする。
「ファッジ大臣も貴女がこれ以上傷つき独りでいる事を望んでおられないわ。」
「お見舞いに来てくださいましたしね。」
アンブリッジは大きく頷く。
「そして、貴女にとっても現状はあまり思わしくない。違って?」
「どうでしょう。だいぶこの生活に離れて来ましたけれど。」
レンは曖昧に濁して見せた。
「ポッターが今以上に暴走しない様、貴女が歯止めになってくれないかしら。」
「と、言いますと?」
「ポッターは貴女を慕っているという情報が入っています。今以上、彼が嘘を吐き続けない様に陰ながら指導してあげて欲しいのよ。」
「は、はぁ…その情報は確かですか?私にはしっくりきませんけど。事実、私がいても彼は先生に食ってかかっていたではありませんか。」
それでも確かな情報よとアンブリッジは意見を変えなかった。
「ミスター・ポッターが"嘘を吐かない"様に導けば良いんですね?」
アンブリッジは大きく頷き、レンは判りましたと頷く。
「ならば、貴女の罰則を終わりにしてあげましょう。」
アンブリッジは杖を振るいレンの制服をグリフィンドールのものにする。
それに瞳を大きくしたのはレンだった。
「貴女の荷物も元々の貴女の部屋に戻しておきました。」
「あー…有難う、ございます…」
信じられない、そう言った様子のレンに「良い働きを期待していますよ」とにっこりと微笑みアンブリッジはその場を後にした。
レンは暫くそこで放心状態だった。
信じられずに自分の頬を抓ったり制服を確認したり、何度も行うが夢ではないらしい。
だが、グリフィンドール寮に行こうとも合言葉を知らない事に気付けば、レンはマクゴナガルの事務所を訪ね、事情を説明した。
深い溜息を吐いた後、本当に人を振り回す才能のある人だと呟くマクゴナガルに、レンは思わず笑ってしまう。
「でも先生、私はどうしたら良いのでしょう…ハリーは嘘を吐いていませんし、指導って言っても…」
「これからも"嘘"を言わぬ様に導いていけば良いのですよ。それを彼女もお望みなのでしょうから。」
そう言うマクゴナガルがどこか悪戯っぽく笑った様に見え、レンは笑ってしまった。