帰れた、そう実感したのは談話室へ連れてこられた時だった。
談話室の生徒が一斉に黙りレンを見つめ、やっぱり此処も自分の居場所で無くなってしまったとレンが切なく思った瞬間、思いっきり飛びつき泣き声を上げたのはハーマイオニーだった。
それをきっかけにし、あちこちからお帰りと言う声が響き渡り、レンは瞳を潤ませ頬を赤らめながら「ただいま」と微笑んで見せた。
レンは暫く皆に歓迎され続け、軽い宴会が行われる。
こんな事で大袈裟な。という思いと自分が主役の宴会なんて初めてで狼狽えるレンを皆は笑い、絵の上手いディーンがレンの絵を描いては『お帰り』と書いてあるそれに、レンは驚き瞳を丸くするも、次の瞬間には頬を赤らめディーンを抱きしめていた。
ディーンは大袈裟と、小さく笑ったが、レンはその絵をディーンに頼んで貰っては嬉しそうに微笑み、ディーンも何処か頬を赤く染めていた。
暫くすればそろそろ休むと一言いい、歓迎してくれた皆にお礼を言えば寝室へと向かう。
懐かしい…帰ってきたと感じるこの寝室。
レンは自分のベッドに寝転がるとカーテンを引き、懐中時計を取り出した。
「今日は良い知らせがあるの。1日嫌な事があったのだけれど…それも吹き飛ぶくらい良い事があったわ。私が居る所、判る?ベッドの上で…ほら、この赤いカーテン。…アンブリッジが罰則を終わりにしてくれたの。マクゴナガル先生が人を振り回す才能がある人だってアンブリッジの事を言っていて笑ってしまったわ。それと、見て、この絵。ディーンが描いてくれたの。私、こんなの初めて。」
「良いプレゼントになったな。」
レンの言葉に直ぐにそう返事があり、繋がったままの懐中時計にレンは驚いて見せれば懐中時計の中のシリウスは可笑しそうに笑っている。
「丁度、お前に誕生日おめでとうと言おうと思っていたところだった。」
「シリウス…私の誕生日は祝ってもらえる様なものじゃないわ…だって私が産まれたから…」
「リーマスにもそう言ったそうだな。祝ってくれるのならこっそりとやって、と。それでも、今まで言えなかった15年分をまとめて父親として言いたかった。お前は望まれて産まれてきた子だ、勘違いしてはいけない。」
「…有難う…パパ。」
レンがそう言うとシリウスはどこか擽ったそうに笑んで見せたが「誰と話してるの?」とカーテンを開けて入ってきたハーマイオニーにレンが飛び跳ね、時計の中のシリウスが笑っているのが聞こえる。