ドアが閉まった事に気付けばレンとハリーはロンと一緒に近場に腰を下ろしフィレンツェを見上げた。
フィレンツェは生徒全員が落ち着いたのを見渡して確認するとゆっくりと口を開き始める。
「ダンブルドア先生のご厚意で、この教室が準備されました。私の生息地に似せてあります。出来れば禁じられた森で授業をしたかったのです。其処が…月曜日までは…私の住まいでした。…しかし最早それは叶いません。」
レンはその言葉に、やっぱり群れを追い出されてしまったのだと、やるせない気持ちに襲われ俯くが、そもそもそういった事を知らない生徒が多い様で「森はハグリッドと共に入った事があります。怖くありません」と発言する生徒もおり、キミ達の勇気の問題ではなく、私の立場の問題だと、フィレンツェははっきりと言った。
フィレンツェの話だとはやり群れを追放されて森に戻る事が出来ないのだという。
ディーンは「ハグリッドが繁殖させたんですか?」と聞いてしまい、それが直様気に障る事だったと気付くとすぐに謝り小さくなる。
「ケンタウルスはヒト属の召使いでも慰み者でもない。」
なぜ、仲間はフィレンツェを追放したのかという問いに、フィレンツェはダンブルドアの為に働く事を承知した事が、仲間にとっては裏切り行為だと見ているからだと言えば、「では始めよう。」という声に長い黄金色の尻尾を一振りし、頭上のこんもりした天蓋に向けて手を差し伸ばし、その手をゆっくりと下ろした。
すると、絵やの灯りが徐々に弱まり、まるで夕暮れ時に森の空き地に座っている様になるとあちこちで歓声があがる。
「床に仰向けに寝転んで。天空を観察してください。見る目を持った者にとっては我々種族の運命が此処に書かれているのです。」
レンはゆっくりと寝転び天空を見上げた。
火星の光が眩いほど赤く照らしている。
「皆さんは天文学で惑星やその衛星の名前を勉強しましたね。そして天空をめぐる星々の運行図を作りましたね。ケンタウルスは何世紀もかけてこういった天文の動きの神秘を解き明かしてきました。その結果天空に未来が顔を覗かせる可能性がある事を知ったのです。…現状で、何かわかる生徒は居ますか?」
フィレンツェの言葉にパーバティはあの火星が明るいのはトレローニーが火事や事故に気をつけろといった様な事を教えてくれたというと、フィレンツェは人間界の事故や些細なことなど人の馬鹿げた考えだと、バッサリと切り捨てる。
ちらりとパーバディの方を見るとその周りの生徒も含め怒った様な様子だった。