第68話
フレッドとジョージは寮へ向かって走らず、図書室を目指して走りっていたが、レンが慌てて2人を引っ張りフィルチが使う掃除用具入れに慌てて飛び込むと開けられぬ魔法をかけ息を潜めた。
掃除用具に囲まれてはいたが、3人がみっちりと密着している。
「見つけたか?」
「いや、今確かにこの辺りに人影が…」
「探せ!このあ辺りに居るはずだ!」
外から男子生徒の声が聞こえる。
「真っ直ぐ寮に戻るのは危ないと思ったけど…危機一髪だったな…。」
「ちょっと窮屈だけれど、落ち着くまで此処にいた方がいいわ。大丈夫、此処の存在を忘れる様に結界を張ってあるから。」
ふぅっと息を吐き俯き加減になれば、コツンと何かに額が当たり、レンは小さく謝る。
どうやらジョージの胸に顔を埋めてしまった様だ。
「こんな状況じゃなかったらかなり俺得なんだけどな。」
腰を抱く様にぎゅっと抱き寄せれば、更に身が密着しレンは頬を赤らめてしまう。
意識してしまえば心臓が先程とは別の意味で騒がしい。
「バカな事、言ってないで。」
「だが、ちょっとしたお喋りをするのに丁度いいかも知れないぜ、相棒。」
フレッドはレンとジョージに背を向け、いつ扉が開いてもいい様にと扉を睨みつけながらジョージに言う。
レンはそんなフレッドの空いている手をそっと握れば、フレッドはニッと笑って握り返してくれた。
「邪魔避けできるか?盗聴されたくないんでね。」
レンは小さく頷き、魔法をかければOKとジョージに一言だけ返事をすると、ジョージはゆっくりと口を開いた。
「レンのお陰で開発中の商品も無事に仕上がったし、色々と情報も得る事が出来た。それから俺達はずっと考えてきてたんだ。俺達に必要なものは学び舎の外にありってね。…けど色々気掛かりで中々旅立てなかった。」
「え?ちょっと待って、それって…」
「頃合いを見て、俺達は学校を去ろうと思う。」
レンは状況を理解するのに言葉を忘れてしまったかの様に言葉が出てこなくなってしまう。