「レンをずっと放っておけなかった。スリザリンに置いたままじゃ気が気じゃなかった。俺のそんな気持ちにフレッドも付き合ってくれてさ。グリフィンドールにも戻れたし、もう大丈夫だろ。」
ジョージの優しい眼差しがレンを見下ろし見つめているが、だんだんとその瞳が潤み始めればジョージは瞼に口付けを落とし、溢れ出た涙を唇で拭い、フレッドはジョージの話が終わるまで口を挟むつもりもないのか此方を見ようともしなかった。
「もう直ぐ卒業なのに…いつもそうやって急なのね」
少し拗ねた様に言うレンを優しく撫でながら「ごめんな?」と小さく呟くジョージ。
「だめ。許さないわ。」
レンがそう言えば、少しジョージは焦った様な仕草を見せレンは小さく笑った。
「そう言っても貴方達はきっと前に進んで行くでしょう?いつも瞳を輝かせて前に進んでいた貴方達を私はずっと見ていたもの。だから…2人で悩んで決めて、夢の為に進むと言うのなら私は止めないわ。私は貴方達を応援し続けるって決めているの。…何度躓いたって失敗したって良い。誰かの手が必要なら、私が生きている間はいつだって手を差し伸べるわ。けれど…モリーおば様と、アーサーおじ様を悲しませるような事だけはしないで欲しいの。」
レンの言葉にジョージはほっと息を吐き「勿論。」と即答してみせる。
「有難う。…それと少しこうさせて…」
レンはそう言うとそのままジョージの胸に顔を埋めて身を小さく震わせ「寂しい」と涙声で小さくこぼすと、繋いだままの手をフレッドはぎゅっと握ってくれたし、ジョージはそんなレンの髪に口付けそれから耳元に唇を寄せる。
「好きだよ。今までもこれからも…ずっと。俺とレンはその指輪が繋いでいてくれる。レンと俺がどんな関係になろうとレンを独りにはしないからさ。」
「けれど…もう二度と、此処で貴方達の笑い声や何かを企んでいる囁きも聞けなくなる、貴方達の姿が見れなくなるわ。」
「卒業が少し早まっただけさ。レンが逢いたいって祈ってくれれば、俺は何処にだって逢いにに行くぜ?」
僅かに頬を紅く染め悪戯っぽく笑うジョージの笑みを見れば、涙を流しながらもレンも釣られるように微笑んで見せた。
意を決した様に袖で涙を拭ってからフレッドと繋いだままの手を離し鞄を手繰り寄せると、ジョージは不思議そうな顔をしながらそれを見守るが、直ぐに大きめの封筒をレンはジョージの腰、ベルトの所にそっと挟めば、そのままきつくジョージを抱きしめる。