あぁ、これはレンの母親の遺産の1つなのか…と双子は理解する。
使わぬのなら売ってしまえば良いのに…とも思ったが、どんな遺産があるのかすら知らず、この店がある事も最近知ったのだろう。
(もしかしたら自分達が家主を探しているという知らせが入ったのが知るきっかけになってしまったのかもしれないが…)
母親が生存していた時のものを手放すのが惜しいという気持ちも判るが、自分には無用な代物。
…ならば…と自分達に贈ってくれたのかもしれない。
「レンは…どうしてこう欲が無く、他人の事に関しては洞察力が鋭いのかね。」
「俺達の気にいる場所、目星をつけそうな場所、そんなのがお見通しだったみたいだ。」
「自分へ向けられてる感情は鈍感な癖にな。」
「好意は特に、鈍感のプロ並みに鈍感だぜ?」
「さっきの俺の告白も見事にスルーしてたしな。」
「ご愁傷様だ、相棒。笑いそうになった俺を許してくれ。」
「大丈夫だ、俺も笑っちまったからな。寂しいで頭がいっぱいだったんだろ」
「ここまでしてくれる姫君の好意に応えなきゃ、だな。」
「あぁ。相棒。これから忙しくなるぜ。」
「退屈しなくて良いじゃないか。」
「沢山稼いで、レンにはこの恩を何らかの形で返さなきゃな。…貰うには高額すぎる。」
「あぁ、その事なんだが…こういうのはどうだ?」
そういうとフレッドはジョージにニヤニヤしながら耳打ちをし、ジョージはそりゃ良い!と瞳を輝かせ2人は同じ様に笑った。
ジョージは布団に入れば、指輪に口付け『姫君からの愛、しかと受け取らせて頂きました。…有難う。絶対に成功させるから。』と祈り眠りに就いた。