「監督生ならお互いに原点出来ないけど、尋問官親衛隊なら…ほら、レン。見えるかい?」
そう言うとレンを手招きし、レンは数歩近付くと、ドラコの指差している監督生のバッチの直ぐ下の『I』字型の小さな銀バッジを見た。
「魔法省を支持する、少数の選ばれた学生のグループでね。アンブリッジ先生の直々の選り抜きだよ。僕らは減点する力を持ってるんだ…僕はキミを推薦したんだけどね。アンブリッジ先生は、レンがファッジ魔法省大臣に個人的に気に入られている事が気に入らないみたいでねぇ。保留にされてしまったよ。」
「別になりたくないもの、それでいいわ。…それだけなら退いて下さる?」
そう言うレンにドラコは首を大きく横に振った。
「新しい校長に対する無礼な態度でグレンジャー、5点減点。マクミラン、僕に逆らったから5点。ポッター、お前が気に食わないから5点。ウィーズリー、シャツがはみ出てるから5点。あぁそうだ忘れてた。お前は穢れた血だからもう10点追加だ、グレンジャー。」
ロンが杖を抜いたが、ハーマイオニーがそれを制すると「賢明だな、グレンジャー。」と囁く様に言った。
「レン、僕達と一緒に行こう。僕達のところへ帰っておいで。」
ドラコは優しく微笑み、レンに手を差し出したが、レンはそれを払い除けた。
「ドラコ…それ以上、私の嫌いな人に成り下がらないで頂戴。私が好きだった貴方はそんな人じゃないはずだわ。私は与えられた一時的な権力を盾に愚かな行為をする腰抜けに従ったりはしない。」
レンは心を凍らせたまま冷たい表情で凛とした姿勢を崩さずに言えば、本気でレンが怒ってると思ったのだろう、ドラコから笑みが消え痛い所を突かれたドラコが視線を逸らした。
「レン、残念だが僕に対する無礼な態度で5点減点だ。」
「あらどうも有難う。底抜けになるより誇らしいわ。」
ドラコはそれを無視し「新しい時代だ…いい子にするんだぞ?ボッティ(バカ)とウィーズル王者。」とハリーとロンに言うと笑いながら去って言った。
レンは深い溜息を大きく吐けば、みんなで背後のくぼみに設置されている量の点数を記録しだ巨大な砂時計の方を見遣ると今朝まではグリフィンドールとレイブンクローが接戦で1位を争っていたのに、今は見る間に石が伸び上がって上に登り、下に溜まった量が減っていった。
事実全く変わらないのはエメラルドが詰まったスリザリンの時計だけだった。
「気が付いたか?」
フレッドの声にレンは急ぐ様に石段を降りれば、下にはフレッドとジョージが二人で大理石の階段を降りた所に居り、レンが間に立つと二人はレンの頭と肩をポンと撫でた。