どこかの廊下に引き摺られる様に連れて来られると、フィルチが丁度箒を持って花火を叩き始め、花火の反撃に遭い箒を燃やしているところだった。
バッと手を離されるとレンはそのまま床に転がり、不快そうに制服についた汚れを払い落としていれば、なんとかなさい!とアンブリッジが癇癪を起こしていた。
「お言葉ですがアンブリッジ先生。私にはその様な権限もなにもありません。」
レンはきっぱりとそ言うと、そんなレンの言葉は聞きもしなかった。
「クレスメントは軽い魔法ならば無効化できるのでしょう!さぁ今すぐ、わたくしの為に働くのです!」
「申し訳ございません。先生はどんな事情だろうと校則を破ると罰則を与えますわ。我が身も可愛いもので、罰則を受けたくはありません。お断りさせて頂きます。」
レンは適当に言い訳し断りながら制服の汚れを諦め頬の汚れを指で拭った時、指輪に『消失呪文』と浮かび上がる。
「この花火がご不快ならば消失呪文で消し去ればよろしいじゃありません?」
この騒動を近くで見ているんだ…と、レンは思えば深く溜息を吐いた。
レンは近くに飛んで来た花火をサッと避け、舞い散る火の粉をその掌で受け止めれば「綺麗な花火ね。」と小さく笑ってしまう。
「融通の利かない頑固で役に立たない子ね!もういいわ!」
アンブリッジはそう言うと怒りながら消失呪文を花火に向かってかけた瞬間だった。
花火が膨れ上がったと思えば十倍の量に増え、それが一斉爆発を起こしレンは思わず悲鳴をあげれば、壁から伸びた手に壁の中へ吸い込まれていった。
後ろへすっ転んだ様な体勢のままきょとんと見上げると声を殺して震え笑いこけているフレッドとジョージの姿があった。
「ナイスアシストだ、レン。」
アンブリッジ達はあの爆発でレンがどこかに吹っ飛んだと考えたらしく然程気にしないまま花火の処理に追われている。
レンをこの小部屋へ救出したのはハリーの様だった。
しっかりとレンの腹部を片手で支えて勢いあまりそのまま尻餅をつき、レンもそのまま転ぶ様にハリーの胸に後頭部を埋める形で転びながら部屋に入っている。
状況を理解できないと言いたげな、驚いた様な、きょとんとした顔にハリーも思わず声を殺して笑ってしまっている。
「大丈夫かい?」
「え、えぇ…吃驚しただけ…」
「どうだい、姫君。今のご気分は?」
笑い泣きした涙を拭いながらそう聞いてくるフレッドにレンは「最高よ。」と答えればにっこりと笑った。
レンは半身を起こすとハリーにお礼を言い、ハリーは服の袖でレンの顔についた煤を拭いてくれレンはどこか恥ずかしかった。
「全部二人が作った花火みたい。」
「そうなの?それはもっと最高ね。気分が晴れ晴れしたわ。…大広間から引きずられてきた時は最悪の気分だったけれど。」
その後アンブリッジ達がその場からいなくなくなったをの確認してから、皆は其処から飛び出して次の授業へと向かった。
フレッドとジョージもイキイキとした輝いた目をしまた何処かへ走って行ってレンはそれに口元が緩んでしまった。