「だって身分があって見た目が良いだけじゃない!…セドリックだって彼女の事を妹の様に可愛がって…ハリーも…どうして皆、あの人なのよ…」
そう言いだした彼女の声はわずかに震え、ハリーは「また泣きだすのはごめんだよ。」と警戒する様に言う。
「そんなつもりはなかったわ!」
「そう…まぁ…良かった。…今、僕、いろいろやる事がいっぱいで大変なんだ。」
「じゃ、さっさとやれば良いでしょう!」
チョウは怒ってハリーに背を向けて立ち去ろうとした所にハリーは最後に一言と言わんばかりに「でも!」と声をかけチョウは足を止めたが振り返りはしなかった。
「今なら僕、セドリックの気持ち痛い程よく判るよ。義兄弟だから庇う訳じゃないのは先に言っとくけど、レンは自分の事より他人の為に必死になれる人なんだ。自分の事なんて顧みないから、だから守ってあげなきゃって、良い意味で放っておけない気持ちにさせてくれる。一生懸命相手を理解しようとしてくれるし、言いたい事ははっきりと言ってくれる。一緒にいて落ち着けるし安心できて信頼できる素敵な人だよ。見た目が良いだけじゃないってキミもレンと友達になったらよく判る。」
チョウはそれを聞いて何も言えなくなってしまったのか、そのまま何処かへと去って行き、ハリーもブツブツと憤慨しながら階段を降りて行った。
レンは深く溜息を吐きながら大広間へと向かい、レンを待ってくれていたハーマイオニーの隣に座ると夕食を無理矢理胃に押し込んでは、そのまま図書館にあの部屋に戻り懐中時計を開く。
「顔色があまり良くないな。どうした?」
「私とシリウスだけの内緒にしてくれる?」
今、返事をしようとしていたと言うシリウスと懐中時計は直ぐに繋がり、レンはクッションに背を預けながら言うと、シリウスは「勿論。」と笑みをこぼす。
「もしかしてさっきの内容の事ならダンブルドアの事なら心配は要らない。会ったがいつも通りな様子だった。あの双子はダンブルドアというストッパーが居なくなれば、そのうち暴れるだろうとは思っていたが、案外早かったな。スカッとしたんじゃないか?」
それにレンが思わず頷くとシリウスはニヤリと笑い、良かったな。と一言。
「でも、ハリーが彼女と喧嘩してる所を立ち聞きしてしまったり、ある人からは学校を去ろうと思って告白されたりで…なんかもう、消化できない気持ちが心の中でもやもやしてる感じなの。」