「わぁ…有難う。食べるのが勿体無いわね。」
「食べないとママが泣くわよ?」
「食べるわよ。」
レンが慌ててそのチョコを軽く齧ると、ジニーも後ろにいたジョージとフレッド、リーも笑った。
「レン、ちょっと助けてもらいたい事があるんだけど、良い?」
もぐもぐとしていたレンにハリーが声をかけてくれば、レンは小さく頷く。
ハリーはそれを確認するとレンの手を取り、戻ってきたばかりの談話室を後にし、着いた先は湖の畔だった。
そこに2人で腰を下ろすと、ハリーは一息置いてから「シリウスと話がしたいんだけど方法知ってる?」と聞いてくれた。
「今、あの人大丈夫かしら…」
レンのその言葉に不思議そうに首を傾げ「何が?」と口にするが「勿論、シリウスよ。」と返され、ハリーは不思議そうだ。
懐中時計を胸元から取り出すと、古びた方の懐中時計のボタンをレンは手慣れた様子で開きボタンを押し「シリウス、話がしたいの。できたら直ぐ応答をいただけると嬉しいわ。」と懐中時計に向かって話しかけた。
「シリウスが連絡してきたら、少し熱くなるから、そうしたらここのボタンを押して話してね?」
レンがそう言い、懐中時計を鎖ごとハリーに渡せば、ハリーはそれをもって待っていた。
「シリウスはハリーにも渡したって言っていたけれど、心当たりはないの?」
「うん、貰った物はいくつかあるけど…話すのに使う物じゃないし…。」
「それじゃ、シリウスが説明し忘れたのね…全くもう。初対面から言葉足らずなんだから。帰ったらどういう道具なのか全部聞いた方が良いわ。」
そういうレンにハリーはどこか可笑しそうに小さく笑ってしまった。
「あ!熱くなった!此処だよね?」
ハリーは笑っていればビクッと身を小さく震わせ、その僅かな熱に慌てた様子で言えば、レンは小さく頷く。
「レン、話がしたいって急にどうし…ってハリーじゃないか。どうした?」
シリウスはなんでそれをハリーが?と言った表情で、「レンから借りたんだ。シリウスと話がしたくて。」と小さく漏らす。
「私席を外しましょうか?」
「ううん、側に居て。その方が落ち着くし。」
ハリーは隣を向きそういうと、レンは静かにそこに座り直す。