レンはその日、いつもよりも早い時間に目が覚めた。
まだハーマイオニーは気持ち良さそうに眠っており、レンは今日1日の支度をし鞄を持てば談話室へと降りて行く。
あぁ、今日で最後なんだな…そんな寂しさで心が埋まっていく。
止めるべきではないか。と言う自分と
応援するって決めたじゃないか。と言う自分。
心の中で2人の自分が言い争い、それは解決のしない言い争いだった。
レンは珍しくその日の魔法史を全くノートに取っていなかった。
気付いたら授業が終わっており、ハーマイオニーが今日だけ特別よ。と、後でノートを見せてあげると言ってくれた事に救われた。
地下牢の教室に着いた時にはレンは両頬をパチンっと叩き、気合を入れればスネイプの授業に挑んだ。
早々に課題の強化薬を終えれば、それをフラスコに掬い取りコルク栓をし採点をしてもらう為にスネイプの机に持って行った。
スネイプはそれをじっくりと採点すれば「よろしい。」の一言と溜息付きで『O』の採点をしてくれた。
「スネイプ先生。私この後進路指導があるのでお先に片付けて行ってもよろしいでしょうか?」
「構わん。マクゴナガル先生から聞いている。急いで行きなさい。」
スネイプの返事を待ってからレンは小さく頭を下げ、鍋を綺麗にすれば荷物を鞄の中にしまって足早に教室を後にした。
レンがマクゴナガルの部屋に着けばまだ少し時間が早かった。
少し扉の前で深呼吸して心を落ち着かせ、時間ぴったりに扉をノックし、返事があると「失礼します。」と中に入った。
扉を閉め前を向いた時、隅の方でふんふんと音が聞こえてレンは瞳を丸くする。
其処には膝にクリップボードを載せ、首の周りはごちゃごちゃとうるさいフリルで囲んだ服装をし、薄気味悪い笑みを浮かべたアンブリッジが居た。
「お掛けなさい、クレスメント。」
「…あ。はい。失礼します。」
「さて、クレスメント。この面接は貴女の進路に関して話し合い、6年目、7年目でどの学科を継続するかを決める指導をする為のものです。…ホグワーツ卒業後何をしたいか考えがありますか?」
「…私は…先生は私の目標をご存知…ですよね?」
アンブリッジをちらりと見遣りながらも心を読まれぬ様、心を鎮め凍らせてゆっくりと話し始める。