「えぇ。聞いております。」
「実際…それを達成した後、自分の未来が見えていないのが確かです。ですがそれを卒業までに達成出来るかどうかも判らない…というより在学していては無理な事で…正直、どうしたら良いのか…。魔法薬を作るのは好きです。そんな研究もしたいと思う気持ちもありますが…癒者は…例えば死喰い人とかが患者で来ても公平に接しられるかどうか、疑問な所があるので、私には向かないと思うんです。」
「貴女の成績を見る限りでは、私は闇祓いを目指してみるのはどうかと思いますよ。闇祓いに必要なのはNEWTで少なくとも5科目をパスする事が要求され、しかもEより下の成績では受け入れられません。現状のまま精進すれば、成績では問題ないでしょう。ここ3年程一人も採用されていない程の狭き門ですが、試験後、闇祓い本部で一連の厳しい性格適性テストさえ合格出来れば、問題ないものかと。」
「そうですか…先生もうひとつお訊ねしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、これは貴女の進路を決めるための面談です。気になる事はなんでも質問なさい。」
「もし成績が全てクリアできたとして、闇祓いの性格適性試験とはどの様な試験なのですか?」
「そうですね…圧力に抵抗する能力を発揮するとか、忍耐や献身も必要です。私はその点でも貴女は通過出来るのではないかと評価しています。ですが、闇祓いの訓練はその後3年を要し、実践的な防衛術の高度な技術を必要とします。卒業後もさらなる勉強が必要になるという事で、決意が無ければ持たない仕事だと思っております。」
「もし仕事のお休みの時は薬の研究とかも出来ますか?」
「体が慣れるまでは難しいかもしれませんが、どの闇祓いも趣味くらいはありますよ、クレスメント。」
レンはその言葉に、少しずつ闇祓いへと気持ちが傾きかけ、レンの心はぐらぐらと揺れていた。
「クレスメント…例えば、ホグワーツが悪の巣窟だとします。教師も全員悪だとします。そこで、そこの校長先生を貴女が討伐したとしましょう。…それで全てが平和になるとお思いですか?」
その言葉にレンは瞳を丸くした。
そうだ…ヴォルデモートを倒したから全てが終わるとは限らない。まだ死喰い人も、それに似た思想の持ち主は山ほどいる。
それが第二の第三のヴォルデモートに近い存在にもなりかねないのだ…。
レンの考える時間をアンブリッジの咳払いが邪魔をし「ただの例え話です。誰も貴女を悪の親玉とは思っていませんよ、ドローレス」とアンブリッジにぴしゃりと言えば、アンブリッジはその耳障りな咳払いを止めた。
「マクゴナガル先生、私、闇祓いを目指してみようと思います。それでもしダメだったら母の様に自分で仕事を作っても良いですし…ダメだったらダメな時なりに、道はあります…よね?」
レンの言葉にマクゴナガルは満足そうににっこりと微笑み「勿論です」と大きく頷いてくれた。
「あー…アンブリッジ先生は…どう思われますか?」
「わたくしも、貴女がこれからもより一層魔法省の為に働いて下さる事には反対しませんよ。」
有難う御座います。とレンはぺこりと頭を下げた。
「マクゴナガル先生、でも私ダンブルドア先生みたいに、カエルチョコのカードになれた方が、もしかしたら嬉しいかもしれません。」
そう戯けていうレンにマクゴナガルは小さく笑ってしまえば「これで貴女の進路相談の面談は終わりにしましょう。」と言う。
レンはそれに有難う御座いましたと、マクゴナガルに深々と頭を下げてから、部屋を後にした。