「またお会いする事もないでしょう。」
フレッドはバッと足を上げて箒に跨りながらアンブリッジに言った。
「あぁ、連絡もくださいますな。」
ジョージも自分の箒に跨りながら言えば、レンはそれを呆然と見つめていただけだったがハッとすれば咄嗟に指を動かし2人の箒に繋がったままの鎖を消し去った。
2人の門出に縛り付ける鎖は似合わない。
それを見遣ればやったのがレンだと判ったのだろう、ニヤリと笑み、フレッドは生徒達を見回した。
今や誰も声なく見つめている。
「上の階で実演した『携帯沼地』をお買い求めになりたい方は、ダイアゴン横丁93番地までお越しください。『ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店』でございます。我々の新店舗です!」
フレッドが大声で言った。
「我々の商品を、この老いぼれババァを追い出す為に使うと誓っていただいたホグワーツ生には特別割引を致します!」
ジョージはアンブリッジを指差し言えば、同時に床を蹴り上空へと飛び立った。
止めなさい!と金切り声をあげ杖を振り上げた時はもう遅かった。
2人は一気に5メートルくらいの高さまで上がれば、フレッドは反対側でぴょこぴょこ浮いているポルターガイストを見つけた。
「ピーブズ、俺達に代わってあの女を手こずらせてやれよ。んで、あの女がレン疑い少しでも虐めたりしたら何も遠慮はいらない思いっきりやっちまえ!」
ピーブズはその言葉に鈴飾りのついた帽子をさっと脱ぎ、敬礼の姿勢をとった。
ピーブズが生徒の命令を聞くなんて…レンはさっきから驚きっぱなしだった。
だが彼らを見送る時にやろうと決めていた事がある。
地に着きっぱなしの指をくいくいっと動かすと、それは始まった。
塔の方からドーンッと大きな音が響くと双子にキラキラと光る黄色と白の花吹雪が舞う。
双子は驚きの表情を浮かべ、2人が見つめた方向には大きな"W"の文字を綺麗に浮き上がっていた。
先日シリウスに色々と教わりながら準備したレンなりの一生懸命考えた彼らの見送り方だ。
彼らはWの文字にも驚かされたのだろう、そのまま停止し見つめそして優しく微笑み、生徒達の喝采を受けながら輝く美しい夕焼けの空へと吸い込まれて行った。