黄色いマーガレットと白いダリアの花弁。
常に前進し続ける貴方達の道が希望に溢れる様に…そしてそんな貴方達に感謝をしていると、花言葉に乗せた想い。
彼らには伝わらないだろがそれで良い。
地に座ったまま小さくなっていく双子を見つめているレンの側へ人混みを掻き分けてやって来てくれたのは、ハーマイオニーだった。
「レン?大丈夫?」
「あー…えぇ。ちょっと驚いて腰が抜けちゃったの。」
レンの背をそっと撫で、支えて立たせようとするとその目の前にアンブリッジとフィルチが立ち塞がる。
「貴女に聞きたい事があります。わたくしの部屋にいらっしゃい。」
そう一言言い、スタスタと歩いていくと、フィルチはレンを立たせその後を引き摺る様に無理矢理連れて行き、ピーブズは双子の言いつけを忠実に守ろうとレンの後をついて来ていた。
生徒達から激しいブーイングの中、レンはアンブリッジの部屋へ来ると、爆発寸前のアンブリッジがレンを睨みつける様に見つめる。
「貴女、今日の事は知っていたの?」
「いいえ。ただ、前日に話があるから授業が終わったら中庭に来てくれって呼び出されただけでした。」
「本当ね?」
「えぇ。クレスメントの名にかけて嘘偽りは申しておりませんし、知ってたらあそこで驚いて腰なんてぬかしません。」
「嘘を言え!お前も共犯なんだろう!」
フィルチは持っていた鞭を振り上げ数発力任せにレンの背を叩くが、レンは痛みに顔を顰めただけで悲鳴のひとつも上げなかった。
「嘘だとお思いなら真実薬でもなんでもお使いくださいな。今日は私進路の事でそれどころじゃなかったわ。」
レンがジロッとフィルチを睨みつけ言えば、フィルチは黙り、アンブリッジは大きく息を吐いた。
「アーガス、この子は本当にただ告白されていただけの様ね。この子が進路に随分と悩み色々と質問していたのはわたくしも拝見させてもらったわ。…寮へお戻りなさい。食事をしてしっかり休んで勉学に励むのですよ?あの様な男に騙されてはダメ。」
レンはその言葉に「はい。」とだけ返事をすれば頭を下げてそのまま談話室へと戻ったが、談話室もすごい騒ぎだった。
戻ったレンを女の子達が中心に引っ張り、「どうするの?」やら「どう想ってるの?」やら「憧れちゃう」やら何やら好き勝手に意見や質問を投げかけて来たが、レンはそれに「色々と起こりすぎて疲れたから少し休ませて。」と申し訳なさそうに言い、寝室へ向かいベッドに身を埋めた。