第74話
レンがジョージの事が頭から離れないのと同じく、生徒達もそれから数日間は、あの逃走劇と告白劇が何度も何度も繰り返し語られた。
ハリーは間違いなくこの事はホグワーツの伝説になるね。なんて言うもんだからレンは溜息を吐いてしまった。
それを目撃してた者でさえ、それから一週間のうちにアンブリッジに殺されそうになったレンを箒で救った。とか、箒に乗った双子が急降下爆撃してアンブリッジめがけて糞爆弾を浴びせかけ正面扉から飛び去ったという話を半分間に受けていた。
それ以外にもあの2人は、生徒達の中から簡単に忘れさせようとはしてくれなかった。
例えば東棟の6階の廊下に広がる沼地を消す方法を残していなかった事、これもそのひとつだ。
アンブリッジとフィルチがいろいろな方法で取り除こうとしている姿が見られたが、成功していない。
ついにその区域に縄が張り巡らされてフィルチは怒りにギリギリ歯ぎしりしながら渡し舟で生徒を教室まで運ぶ仕事をさせられ、他の先生方もあの花火と同じ様に"権限があるかどうかはっきり判らないから見守る"そういった姿勢を保ち続けていた。
他にはアンブリッジの部屋の扉には大きな箒の形の穴が2つ空いていた。
これはフィルチによって直され、その時にハリーのファイアボルトは地下牢に移され、噂では武装したトロール警備員をアンブリッジが配置したらしい。
アンブリッジの苦労はそれだけでは終わらない。
フレッドとジョージに触発され、大勢の生徒が、いまや空席になった『悪餓鬼大将』の座を目指して競い始めたのだ。
新しいドアを取り付けたアンブリッジの部屋に『毛むくじゃら鼻二フラー』を忍び込ませ、それがキラキラ光る物を探して部屋を忽ちメチャクチャにしたばかりか、アンブリッジが部屋に入って来た時にその指を噛み切って指輪を取ろうと飛びかかった。
廊下は糞爆弾や臭い玉がしょっちゅう落とされ、いまや廊下に出る時は泡頭の呪文をかけるのが流行になった。
誰も彼もが金魚鉢を逆さに頭から被った様な奇妙な格好になったがそれだけで新鮮な空気は確保できた。
フィルチはレンの背を叩いたあの乗馬用の鞭を手に、悪餓鬼を捕まえようと血眼で廊下のパトロールをしたが、何しろ数が多すぎて、どこから手をつけたら良いか判らない様子だった。