第75話
現に試験まで一ヶ月を切ってしまい、空き時間は全て復習に追われていた。
ハーマイオニーはレンと1学年から現在まで習った事の復習も兼ねて問題を出し合っているか、古代ルーン文字の訳をみて欲しいとレンに頼み、レンはそれを教える事に時間を使っていた。
5月最後の週末の日、レンは元気なさそうに朝食をとっているリーの隣に座れば、リーはきょとんとしてレンを見遣る。
「ご一緒してもよろしいかしら?お兄ちゃん。」
レンの『お兄ちゃん』呼びにリーは口端を上げれば大きく頷いてくれる。
「ホグワーツが色々な意味で物足りなくなってしまったわね。」
レンは飲み物をとり、口に運べば「そうだなぁ」とだけ答えるリー。
「ねぇ。もう直ぐで学校が終わるでしょう?そうしたらフレッドとジョージのお店に遊びに行きましょうよ。私達を置いて行ったんですもの、食事をご馳走してもらっても罰は当たらないと思わない?」
「ナイスアイディアだな。」
「でしょう?その日を目指して頑張りましょう?」
リーは微笑み頷いてくれる。
「お前が逢いに行ったら彼奴ら喜ぶぜ?」
「どうして?」
ほら、と見せてくれた手紙には、店の開店準備に明け暮れている事や、「姫君から愛らしい手紙を貰ったんだ。」やら「俺らがいない間、レンの事を頼んだぜ。」と書いてありレンは小さく笑ってしまった。
「私はどれだけ1人じゃ危なっかしいって思われているのかしらね。リーやピーブズにまで私の面倒を頼むなんて。」
あのピーブズよ?とレンが信じられない!と言いたげに言えば、リーは思わず笑ってしまう。
「でも、学校が終わってほしくないなーなんて思うところもあるのよ。」
「ん?なんかあったか?」
「貴方が卒業しちゃうでしょう!」
何言っているの。と言いたげに指先でリーの額を小突き、リーは驚いた様な表情をした。
「私、ジョージ達に教わったわ。仲が良くなればなる程、その人にとっては門出で喜ばしい事なのに、もうこうして過ごせないんだなって思ってしまって寂しくなるの。私こんな気持ち今まで知らなかったわ。…ねぇ時々でも良いから卒業したらお手紙くれる?」
「あぁ、勿論。まさか俺にまで寂しいって思ってくれるとは思ってなかったよ。」
「私ってそんなに薄情に見えたのかしら。」
「いやいや、俺ってジョージのおまけかなって。」
ニヤリと口端をあげて言うリーにレンはきょとんとした。