レンはこの森に巨人がいるとは思わなかった。
そう、思うと何かが引っかかる。
ハガー…ハガー…と繰り返し考えているともしかして…とひとつの答えに行き当たった。
「ハグリッドの事?」
「ハガー!」
そうだと言っているかの様にこくこくと頷き大きくそう返事をしてくれた。
「グロウブはハグリッドと兄弟なのかしら?友達?」
レンの言葉が判らないのだろう、グロウブは首を傾げ、レンは意思疎通の出来なさに困った様に苦笑してしまう。
レンはグロウブからゆっくり降りようとすると、その動きを察したグロウブはレンを掴み目の前におろしてくれる。
骨が軋む音がする程に力加減は大いに間違っているが、優しい心をどこかに持っているのを感じた。
自分ですら意思疎通が出来ず困っているのだ。グロウブは、ずっと困っていただろう。それなのに親切にしてくれる。思いやりの心が少しもなければこうはいかないだろう。
「グロウブ、有難う。」
レンはにっこりと笑って見せれば、意味は分からずともグロウブもにっこりと笑ってくれる。
ゆっくりと彼の膝の上に登り、そこに腰かければグロウブはその様子をジッと見ている。
「グロウブとハガーは友達?」
グロウブはその大きな頭を傾げる。
それにレンは、グロウブを指し「グロウブ」そして自分を指し「レン」と言い、それに続けて「友達。」と言いグロウブの手を握りにっこりと笑うと、グロウブは真似する様ににっこりとする。
「グロウブ、ハガー、友達?」
そう聞くとグロウブは首を捻ってから横に振った。
グロウブとレンの関係とは違う。と、理解してくれた様だとレンはいい方に考え「そっか。」とにっこり笑えば、どうしたものかと悩んでしまう。
このまま置いて城へ帰ってハグリッドを呼びに行っても良いが、彼がもしついて来てしまったら大騒ぎになるだろう。
まぁアンブリッジをどこかに蹴り飛ばしてくれたら助かるのになぁと思い想像すれば思わず笑ってしまう。
グロウブはレンと話をするのに飽きたのだろう、近くの木を引き抜こうと引っ張り遊んでおり、レンはそれに小さく溜息をついた。
まずは力加減としてはいけない事を教えなければならない。
レンは落ちぬように気をつけながら、またグロウブの肩まで登っていく。
「グロウブ、ダメ!」
耳元でそう言い、グロウブがやっているのと同じ様に、グロウブの耳を引っ張る。
グロウブはそれにびっくりし手を離せば、レンも手を離し、今度は「グロウブ、良い子。」と頭であろう所を撫でてやる。
これで怒ってると褒められてるが理解できるだろうか…?