第76話
「信じられない。」
ハグリッドと別れを済ませ、ハグリッドに聞こえない所まで来た途端、ハーマイオニーが動揺しきった声で言った。
「信じられない。本当に信じられない。」
ハーマイオニーもハリーも髪は小枝や木の葉だらけで、ローブは数カ所破れ、頬や腕に数えきれないほどの引っかき傷があり、どこか変な道でも通ってきたんだな…と思いながら、レンは杖を一振りしてはそれを取ってやるとハリーは小さくお礼を言う様にペコッと頭を下げてから落ち着けよ、とハーマイオニーに言うが、ハーマイオニーは興奮して「落ち着けなんて!」と一言。
「巨人よ!森に巨人なのよ!それに、その巨人に私達が英語を教えるんですって!しかも、勿論、殺気立ったケンタウルスの群に、途中で気付かれずに森に出入り出来ればの話じゃない!ハグリッドったら信じられない。本当に信じられないわ。」
あぁ…そういえば、ケンタウルス達の荒々しい蹄の音が聞こえたなぁ…と、レンはどこか他人事に思ってしまっていた。
「僕達、まだ何もしなくていいんだ!」
ペチャクチャ喋りながら城へと帰るハッフルパフの流れに潜り込みながら、ハリーは低い声でハーマイオニーを宥めようとしていた。
「追い出されなければ、ハグリッドは僕達になにも頼みやしない。それに、ハグリッドは追い出されないかもしれない。」
「まあ、ハリー、いい加減にしてよ!」
ハーマイオニーが憤慨し、その場で石の様に動かなくなった所為で、後ろをついて歩いてきた生徒達は、ハーマイオニーを迂回して歩かなければならなかった。
「ハグリッドは必ず追い出されるわよ。それにはっきり言って、今しがた目撃した事から考えて、アンブリッジが追い出しても無理もないじゃない?」
一瞬言葉が途切れ、ハリーがハーマイオニーを睨み、レンは深い溜息を吐くとひと睨みして隣を通り過ぎていく。
「本気で言ったんじゃないよな?」
ハリーのそう低い声が聞こえたが、レンは気にもしなかった。
一足先に談話室へと戻ろうとしたが
ウィーズリーは我が王者
ウィーズリーは我が王者
クアッフルを止めたんだ
ウィーズリーは我が王者
ウィーズリーは守れるぞ
万に1つも逃さぬぞ
だから歌うぞ
グリフィンドール
と、歌う歌声が聞こえてきては、「止めた?」と首を傾げると「勝ったんだよ。」と肩を組む様にしてはにっと笑うリーの姿。