第77話
城の庭はペンキを塗ったばかりの様に、日の光に輝いていた。
雲ひとつない空がキラキラ滑る滑らかな湖に映る自分達の姿に微笑みかけ、艶やかな緑の芝生が優しいそよ風に時より漣を立てている。
もう6月だった。
もうすぐホグワーツも一年を終える。
しかし5年生にとってはその意味はOWL試験がやってきた事を意味していた。
先生方はもう宿題をださず、試験に最も出題されそうな予想問題の練習に時間を費やした。
目的に向かう熱っぽい雰囲気に、皆それだけを考えている様だった。
ハーマイオニーは特に集中している様で、長時間ブツブツ言っている事が多くなり、何日も屋敷しもべの為の編み物もしなくなっていた。
試験が近付くにつれアーニー・マクミランは誰彼構わず捕まえては勉強の事を質問する癖がつき、皆が苛々している様だった。
ハリーとロンに何時間勉強しているか聞き、自分はそれより多いと自慢し始め「レンは授業中以外常に勉強してるよ。」とハリーがツッコミを入れると、彼は黙りこくってしまい、レンは小さく笑ってしまう。
一方ドラコは彼とは違ったやり方で皆に動揺を誘った。
試験官の1人と父親が仲良くしており、一緒に食事をしたり色々としている。と言いふらし始めたのだ。
もしそれが本当なら…と生徒達は動揺したが、ネビルがそれをはっきりと否定した。
どうやらネビルの祖母がその試験官と仲が良いのだが、マルフォイ一家の話など一言も聞いた事がないと言う。
そればかりか、ネビルの祖母の様に厳しいお人らしい。
そうこうするうちに今度は怪しげな脳活性剤や精神集中、眠気覚ましなどの効果があると言われる薬が流行り始める。
レイブンクローの上級生がそれを売り始めている様なのだ。
ロンとハリーもそれに騙されかけ、1人12ガリオンで買いかけた時にハーマイオニーがそれを没収し中身をトイレに捨てた。
それに憤慨したのはロンとハリーだった。
「やめた方が良いわよ?本当のその薬はもっと鮮やかな色をしているもの。後この前売ってたドラゴンの爪の粉末はドクシーのフンを粉末にしていたし…害しかないわね。」
レンが苦笑しながらそう言えば、2人は一気に熱が冷め我に返った様だった。
変身術の授業の時、マクゴナガルが試験の時間割とやり方について説明してくれた。
試験は二週間にわたり行い、午前中は理論に対する筆記試験、午後は実技、天文学の実技は夜に行うのだという。
そして筆記試験のペーパーには最も厳しいカンニング防止呪文がかけられており、自動回答羽ペン、思い出し玉、取り外し型カンニング用カフス、自動修正インクも持ち込みが禁止される。