第8話
レンはそれにほっと一息吐くと、リーマス達が帰ってくるのを待っている間、厨房の席に座りボーっとある人物を待っていた。
その人物とは…そう、スネイプだ。
スネイプが参加する日の会議にはレンは初めから参加する事が出来ない。
彼が何をしているのか知りたかったが、自分に知られては支障のある何かを彼はしているのだろうとレンは思った。
到着した彼にレンはそう挨拶すれば、スネイプはちらりと視線を向けると、レンの瞳の様子を見るべくこめかみ付近に手を当ててジッと見つめれば、直ぐに目を逸らした。
「順調の様だな。」
「勝手に包帯を取ってすみませんでした。」
「あの状況ならば仕方無かろう。」
「スネイプ先生がいったい何をなさっているか、私は知ってはいけない事なのですよね?」
「判っているのならば口にするな。」
そう一言で終わらされて、レンは小さく息を吐く。
「危ない事ですか?」
「今、平和に物事を解決出来る策は我々にはないと思うが?」
シリウスをちらりと見遣り嫌味っぽく言うスネイプに、シリウスはケッと悪態をつく。
「ただ…私は思うんです。母ならきっと、スネイプ先生も無事でいて欲しいって。どうしてだかは判らないけれど…だから、出来るだけ無茶はしないで下さいね。」
そう言うと、シリウスもスネイプもどこか驚いた表情を見せる。
「さ、レン。そろそろ会議が始まる。お前は自分の家か友の所に行きなさい。」
「判ったわ。皆に変わりはないって報告を伝えておいて。」
レンはそう言うとゆっくりと部屋を後にした。
部屋を出るとすーっと耳のような物が垂れ下がっている事に気付き首を傾げる。
どうせジョージかフレッドだろうと思い、その耳を掴むと口の前へ近付け、肖像画の祖母を起こさない程度の大きな声で、モリーの声色を真似て「お前達!いい加減にしなさい!」と言ってみれば、驚いたのだろう、上の部屋の方からガタガタッと音が聞こえ、レンはクスクスと笑った。
「驚かせないでくれ、レン。」
「あら、盗み聞きなんてお行儀の悪い事をする貴方達がいけないのじゃなくて?」
パチンという音と共に双子の姿が現れると、レンは小さく微笑む。
双子は誕生日を迎え、姿現わしのテストに優良で受かってからというものの、本部でも家でも歩いて数十秒の距離でも姿現わしで移動しているのだ。