翌日の朝食時も前日の夕食の時と同じだった。
皆、今後の人生を左右される試験だけあって、真剣だった。
やっぱり自分だけ何処か時間の流れが違う様で、自分が普通ではないと思い知らされている様だった。
心も考え方も、普通とは違うのだろう。
どんなに頑張ったって、試験で良い成績を残したって、自分に待っているヴォルデモートを倒した後の未来なんて判りきっているし、違う未来があるなんて想像出来ない。
私の父親が、本当にシリウスであったら…私は周りの皆と同じになれただろうか…?
レンはそう思うと周りの皆がどこか羨ましくなってしまい苦笑してしまう。
「どうした?」
ハリーは不思議そうに首を傾げ、レンは小さく首を横に振る。
「なんか悲しそうな顔をしてた。」
「そう?なんか…私だけ取り残されてるなーって思っただけよ。」
「レンったらさっさと寝てたのよ?」
ハーマイオニーは信じられない!といった視線をレンに向け、レンは思わず苦笑してしまう。
「寝不足で頭の回転が鈍るより良いでしょう?」
「取り残されてるって言うか、焦らなくても良いくらい余裕がある方が羨ましいよ。」
ロンが切なそうに言い「余裕があるというより、開き直っているっていうか諦めているっていうか。」とレンは苦笑するしかなかった。

朝食が終わると5年生と7年生以外は教室へ向かい、2学年は玄関ホールで待たされた。
9時半になるとクラス毎に呼ばれて、再び大広間に入った。
其処は先程の4つの寮に分かれたテーブルはなくなり、100以上の小机がみな同じ方向へ向けられ並んでいた。
一番奥に生徒と向かい合う形でマクゴナガルが立っている。
皆が着席し静かになると、「始めてよろしい」の声とともに、先生は自分の机に置かれた巨大な砂時計をひっくり返した。
レンは机の上に置かれた試験用紙をひっくり返し、すぐにペンを走らせた。
(a)物体を飛ばす為に必要な呪文を述べよ。
(b)さらにその為の杖の動きを記述せよ。
あぁ、懐かしい。とレンは口元を緩ませた。
そういえばこの時はハロウィンの頃でハーマイオニーと女子トイレでトロールと遭遇し、ロンとハリーが戦ったっけ。
時間を残し、全て書き終えれば、再度問題と解答をゆっくりと確認し、書き忘れがないか、間違いがないか時間ギリギリまで確認をした。