「まぁ、それほど大変じゃなかったわよね?」
2時間後、玄関ホールで試験問題用紙をしっかり握ったまま、ハーマイオニーが不安そうに言った。
「始めの問題でトロールの頭に棍棒が落ちたシーンを思い出して笑ってしまったわ。」
「僕も。」
ハリーのその言葉に「やっぱり?」と視線を合わせて笑ってしまう。
ハーマイオニーはその後も元気の出る呪文がどうとか不安なところを言い始めたが、ロンが本番だけで十分だ、終わった事を復習するな。と一言言った。
昼食時にはテーブルが元通りになっており、レン達は食事を終わらせると、大広間の脇にある小部屋に移動し、名前を呼ばれるのを待った。
4人の中でレンは初めに呼ばれ、3人は小声で応援をしてくれ、レンはにっこりと微笑んで応える。
小さいテーブルがいくつかあり、そのテーブルの前に4人の試験官が並んでいる。
レンは最初に室内に入った為、後の人の事も考えて、取り敢えず一番奥のテーブルへと歩いて行き教官に「よろしくお願い致します」と頭を下げた。
一番奥の教官は一番年老いて一番禿げたトフティという名の様だ。
「クレスメントだね?」
「はい。」
トフティ教授はメモを見ながら、鼻眼鏡越しにレンを見遣り、レンは大きく頷く。
「よろしい。それではこのゆで卵立てを取って、コロコロ回転させてもらえるかの。」
レンはその言葉に返事をし杖を振るう。
トフティ教授はその動きや効果をひとつひとつチェックしては何かを書き込んでいく。
レンは全体的に上手くやれたという自信があった。
トフティ教授が課題を述べる度に素早く正確に行った為か感心した様な声を漏らしてくれたからだ。
試験が終われば「有難うございました。」と頭を下げてそこを後にする。
テストの終わった生徒は試験問題の漏洩を防ぐ為に先程の部屋には戻ってはいけなかった為、レンは1人ゆっくりと過ごしていた。
試験を終えたハリーは、全体的に上手く出来たけど、緊張してネズミを少し大きくしちゃった。と言うもんだから、レンは釣られる様に小さく笑ってしまった。
次の日は変身術で、実技の時の試験官はマクゴナガルだった。
マクゴナガルが授業で何度もやった消失呪文を成功させれば、その調子で他の試験も挑みなさい。とマクゴナガルは口元に笑みを浮かべてくれ、どこか勇気付けられた気がした。
水曜日は薬草学、木曜日は闇の魔術に対する防衛術と試験は順調に進んで行った。
逆呪いや防衛呪文を全てこなし、マネ妖怪もかるくやって退ければ「素晴らしい!」と声を上げる試験官に、レンはどこか恥ずかしくなってしまった。