試験官をしていたマーチバンクスという魔女はレンに、クレスメントの結界を出して見てくれ。と追加の問題を出した。
レンはそれに従い結界を作り出せば、魔女はそれに杖を向けたりしてその精度を確かめ、感心した様な様子だった。
「追加で点をつけておこう。」
「お優しいお心遣い有難うございます。お気持ちは大変嬉しいのですが、私は一生徒でありこの様な特別なもので点を頂く訳にはいきません。なので、お気持ちだけ受け取らせてください。」
レンのその言葉に魔女は驚いた表情を見せるが、直ぐに「気に入った。」と一言と人の良さそうな笑みを浮かべてくれた。
若造が偉そうに申し訳ありませんとレンは苦笑し頭を下げ、試験を終えると其処を後にした。
次の金曜日は古代ルーン語の試験の所為か、ハーマイオニーが試験を終えるとその試験まで、満足するまでレンを付き合わようとし、ハリー達は苦笑していたが、レンは次の月曜の魔法薬の授業まで特に予定もなく、彼女に付き合い続けた。
金曜日はとても天気がよく、開け放した窓の側で、ハリーとロンがチェスをしているのを、レンは眺めていた。
「キミもやる?」
「私には向いてないみたい。以前リーマスと勝負し続けていたのだけれど…駒が反抗期になったわ。」
レンが拗ねる様に言えばハリーもロンも声を上げて笑う。
「僕もそうなった事があるよ。手をつけられなくなるよな。」
「ハリーも?」
「うん。ロンにコテンパンに負かされた事があってね。」
「それじゃ、ロンは私達の中では一番チェスが上手いのね。」
レンがそう褒めるとロンはどこか照れた様に喜んでいた。
暖かい日差しにレンがうとうとし始め、ハリーが肩を提供してくれていたことに気付いたのは、ハーマイオニーが機嫌悪そうに寝室の扉をバタンッと閉めた時だった。
驚いた様に起きれば「そのままでも良かったのに」とハリーが笑った所為で、レンはちょっと恥ずかしかった。
「今行かない方が良いぜ?ハーマイオニーが1つ訳し間違えたってカンカンだからな。」
ふーん?と不思議そうに首を傾げるも、レンにも聞かせたい話だったなら起こしていただろうとレンはあまり気にしない事にした。

ハーマイオニーの険悪ムードはほとんど週末中続いた。
日曜の晩、一体そんなに不機嫌でどうしたの?と我慢しきれずに聞けば、誰かが二フラーをアンブリッジの部屋に入れ、それがハグリッドの所為だと思っていると話してくれた。
「アンブリッジは動物が関わっていたらなんだってハグリッドの所為にするわよ。今更じゃない?」
「忘れたの?ハグリッドがクビになったら困るわ」
「ハーマイオニー、そんなに嫌なら私独りでもやるから問題ないわよ?…まぁ、ハグリッドにかんしては、アンブリッジは証拠を探したり待っていたりする様な人間でないから注意は必要だとは思うけれど。」
それにハーマイオニーは曖昧に頷いて見せた。