「シリウスが倒れたのは、何も死んだって限らないでしょう?ただ、病気とか怪我とかもあるし、悪い方に考えないの。見た事のない場所だったのでしょう?シリウスはあの家から出れないもの。大丈夫よ。」
ハーマイオニーは優しくレンの背を撫でて、落ち着かせる様にそう言い聞かせてくれ、レンは小さく頷いて見せた。
「もう、水晶玉…二度と、見たくない。」
「大袈裟ね。」
「だって!…私、ヴォルデモートが、復活の儀式に使った…あの、大鍋と、墓場…以前に水晶玉でみたの…それが起こってしまった…もし今回も、起こってしまったら…」
そう言うと、ハーマイオニーはレンの懐中時計を取り出し、やり方を教えて?と言い始め、レンは渋々そのやり方を教える。
ハーマイオニーはその通りに懐中時計を使用すると、驚いた様なシリウスの声が聞こえた。
「今度はハーマイオニーか。一体どうしたんだ?」
「レンが占い学の試験で、貴方が倒れる姿が見えたって泣いて教室から飛び出してきたみたいなの。」
シリウスが笑いながらレンに代わってくれと言い、ハーマイオニーは懐中時計をレンに向けた。
レンは袖口で一生懸命涙を拭い俯いたままシリウスを見る事が出来なかった。
「レン、大丈夫だ。もし私が倒れたとしたらただの酒の飲み過ぎか何かだろう。」
「そんな、倒れ方じゃ、なかった、の…!」
「それでは、もし、レンが見た通りの倒れ方、もしくは死に方をしたとしよう。そうしたらレン、お前はくよくよだけはするんじゃないぞ?私はそんな弱い娘に育てた覚えはない。それに、もしそうなったとしたらハリーやレン、仲間を守っての事だろう。それなら私は本望だ。お前は私の意志を継ぎ、ジェームズやリリー、アクアや私の仇をとって平和を勝ち取るんだ。私はずっとお前を見守っていよう。姿が見えずとも必ず側にいる。良いか?それが起こるか起こらないのかも判らないし、起こったとしても何年先かも判らない。だが、それだけは忘れないで覚えておきなさい。」
レンは大きく頷くも、そんな話聞きたくないし考えたくもない。と、また枕に顔を埋め号泣し始めてしまい、仕方なさそうにハーマイオニーが代わる。
「まぁこんな調子なのよ。」
「仕方ないな。あの子にとっては私やリーマスはやっと手に入れる事のできた親だから…いろいろ思うところがあるのだろう。遺しておくべき事はちゃんと遺しておくが…まだ死ぬ予定は微塵にもないからな。安心する様に言い聞かせておいてくれ。それと私の事を勝手に殺すなと文句もしっかりと伝えておいてくれよ?」
本当に困った娘だ。とシリウスは愛おしそうに目を細め通信を終えた様だった。