「ほら、大丈夫だったでしょう?…ほら、夜には試験があるんだからしっかりしないと。」
レンが頷くの見てからハーマイオニーは言葉を続ける。
「ハリー達が心配してるから私は下に行くけれど、貴女はどうする?」
「試験、まで…此処、に…いるわ。」
それにハーマイオニーは食べれそうだったら夕食を食べなきゃダメよ。と言い残し談話室に降りていった。

レンが顔を洗ってから試験のある塔のてっぺんに着いたのは試験開始時間の5分前だった。
「大丈夫?」
ハリーは心配そうにレンにそう声をかけ、レンは眉を下げて笑めば小さく頷いた。
「水晶玉なんか叩き割ってゴミ箱に捨てちまえ。僕達はずっと前からそうするべきだったんだ。」
ロンの言葉にレンは一瞬きょとんとするも小さく笑って頷いて見せた。
「トレローニー先生が卒倒してしまうわね。」
レンが掠れた声でそう言うと「ちょっとくらい大丈夫さ。」とハリーは小さく笑った。
レンはこれから試験を行う、その空を見上げた。
雲のない静かな夜で校庭が銀色の月光を浴び、夜気が少し肌寒いくらいだったが、今のレンにとっては丁度良かった。
生徒はそれぞれに望遠鏡を設置し、マーチバンクス教授の合図で配布されていた星座図に記入をし始めた。
マーチバンクス、トフティ両教授が生徒の間をゆっくり歩き、生徒たちが恒星や惑星を観測して正しい位置に図を書き入れていくのを見て廻った。
羊皮紙が擦れる音、時折望遠鏡と三脚の位置を調整する音、そして何本もの羽ペンが走る音以外はあたりが静まり返っていた。
レンにとって星はよく見てきた事もあり集中し全てに記入をし終えるのに残り時間に余裕を持て一息ついたが、辺りが落ち着きがないのに気付くと、その異変に気付いた。
視線の先にはハグリッドの小屋を訪ねたらしい5、6人の姿があり、そのうちの1人はずんぐりむっくりとした、見覚えのあるその姿だった。
レンはそれに嫌悪感を抱くと同時に嫌な予感がした。
あと20分。とトフティ教授が生徒達に声をかけ飛び上がった生徒が何人かいたが、レンは気にもしなかった。
どうか、何も起こらないで…!