第79話
二時に大広間に入ると、裏返しにされた試験問題の前に座った。
「試験問題を開けて」大広間の奥からマーチバンクス教授が合図し、巨大な砂時計をひっくり返した。
「始めてよろしい。」
レンは問題を読めばペンを走らせる。
殆ど問題を解き終えた頃、事件は起こった。
ハリーが急に叫び声をあげ額を抑えているのだ。
それにレンは顔色を変え慌てて立ち上がるも「席に着きなさい。」と一喝されてしまえば、大人しく席に座るしかなかった。
居眠りをしヴォルデモートの所へ繋がり何か"夢"を見ているのだろう、とレンは思う。
ハリーは教授に声をかけられ続けやっと意識を取り戻すと、その顔色の悪さから医務室へ行きなさいと退出させられていた。
チラリと見えたハリーの横顔は本当に真っ白だった。
試験が終わってからレンとハーマイオニー、そしてロンは直ぐに合流しては大広間を飛び出し医務室へと急ぐ。
ハリーに何があったのか、大丈夫なのか…そんな思いで一致していた。
「レン…!」
大理石の階段を登り終えた時に大きくレンの名を呼ぶハリーの姿があったが、ハリーはそのまま全速力でレンの元へ駆け付ければ、そのままきつくレンを抱きしめ、思わぬ行動にレンはきょとんとしてしまう。
「レン…力を貸してくれ。」
「ハリー、どうしたの?私はいつだってハリーの味方だったでしょう?」
レンがそう優しく言えば抱きしめた腕に力が入り大きく頷いてくれる。
取り敢えずそこの教室に入ろうと、ハリーはレンを離すと近くの空き教室に入り、扉を閉めようとした時、側にハーマイオニーとロンがいた事に気付いた様だ。
2人も中に入れ扉を閉めると、ハリーは真っ直ぐにレンを見つめる。
「シリウスがヴォルデモートに捕まった。レン、僕見たんだ。この傷が痛んで…ヴォルデモートがシリウスを拷問してた…!」
そう言われては咄嗟に魔力を探るとシリウスの魔力ははっきりと感じられたが焦っている様な色が見える。
「おかしいわね…団員はもしもの事があった時私に知らせがくる様になってるわ。私は何も感じられなかったし、シリウスの魔力ははっきりとロンドンの辺りに感じるけれど、ちょっと焦りの色が見えるわ。」