第80話
「レン、懐中時計を返すわ。私も一緒に行くもの。」
「良いの、持っていて。…貴女達本当に良いの?罰則があるかも知れないわよ?」
「そんなのクソ喰らえよ。」
ジニーのその言葉にレンは思わず声をあげて笑ってしまった。
「流石、あの双子の妹ね。それじゃ、行きましょう。」
レン達がアンブリッジの廊下の所で待っているとハリーは直ぐに現れた。
「レン、ピーブズに言った時間までは?」
「あと2、3分ね。」
「それじゃ、ロン。お願い。」
ロンが大股で立ち上がり、真っ赤な髪が廊下の向こう端に行くまで見えていた。
ジニーは押し合いへし合いしている生徒を縫って廊下の反対側に向かい、その後をルーナが付いて行く。
「ほら入って。」
レンは自分に魔法をかけようと思ったがハリーはレンを抱き寄せ3人でマントをかぶる。
抱き寄せてくれたハリーの心臓の音が直ぐ近くで聞こえる。速い心音だ…。
「此処は通れないわよ!悪いけど回転階段を通って回り道をしてちょうだい。誰かが直ぐ其処で「首締めガス」を流したの…!」
「ガスなんて見えないぜ?」
「無色だからよ。でも突っ切って歩きたいならどうぞ?私達の言う事を信じない馬鹿が他にいたら貴方の死体を証拠にするから。」
ジニーは苛々している生徒達に、説得力のある苛々声でそう言うと、だんだん人がいなくなった。
そして、何処か遠くの方から大きな物音が聞こえ始めた。
3人はマントに隠れたまま前進し、ルーナがこっちに背中を見せて廊下の端に立っている。
ジニーの側を通る時、ハーマイオニーが合図を忘れないでね。と囁きアンブリッジの部屋のドアに近付いた。
「合図って?」
「ウィーズリーは我が王者をアンブリッジがくるのを見たら歌うのよ。」
ハリーはハーマイオニーにそう聞くとハーマイオニーは答えた。
「ハリー、鍵を開けたら直ぐに入らないでね。どんな魔法がかかってるか判らないわ。」
ハリーがシリウスのナイフの刃をドアと壁の間に差し込み鍵を開けると大きく頷いてレンが中を確認する。